花子「さよなら撫子お姉ちゃん」
待って、行かないでと言いたいのに声が出ない。
櫻子「姉ちゃん、じゃあな」
引き留めようとしても体が動かない。
藍美穂めぐみ「バイバイ、撫子」
みんな待ってよ、お願いだから一人にしないで―――
撫子「最近怖い夢を見る…」
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花子「さよなら撫子お姉ちゃん」
待って、行かないでと言いたいのに声が出ない。
櫻子「姉ちゃん、じゃあな」
引き留めようとしても体が動かない。
藍美穂めぐみ「バイバイ、撫子」
みんな待ってよ、お願いだから一人にしないで―――
京子「というわけでやってまいりました!」
櫻子「やったー。やってまいりましたー♪」
京子「本日は、大室櫻子さんのお誕生日!」
櫻子「わーい。うやまえー♪」
京子「というわけで櫻子様ゲームを開催します!」
櫻子「やったーーー」
このおはなしは、
向日葵「ずっと一緒に」
の番外編と、その後日談です。
ぜひ上記のものを先に読んでから、こちらもお楽しみください。
①:向日葵「櫻子と恋人になりましたわ」
ちなつ「ねぇねぇ、向日葵ちゃん!」
向日葵「はい?」
ちなつ「恋人同士になってどこまで進んだの!?やっぱりキスとかしたの!?」キャー
向日葵「はぁ…吉川さん、あなたは根本的な誤解をしていますわ」
ちなつ「へ?」
向日葵「櫻子が泣いて『大好きです!付き合ってください』というから、仕方なく付き合っただけですわ」
ちなつ「そうなの?」
向日葵「そうなんですの。だから、吉川さんが思っているような事には、絶対になりませんわ!」
櫻子「仕方なくなの?」
向日葵「ええ、そう。これは仕方なく………………って、櫻子!?」
櫻子「へぇ~。向日葵は嫌々だったんだ」
向日葵「い、いや、そ、そ、そんなことは…」
櫻子「ばいばい。向日葵♪」
向日葵「いやーーーーーー!謝るから捨てないで!櫻子ーーーー!!」
ちなつ「すでに尻にしいてるとは…さすがだね櫻子ちゃん」
あかり「さくひま、ひまさく短篇集、はっじまるよ~」
① 終わり
真夜中だった。
どこからか、声が聞こえる。
切羽詰まったような、まるで泣く寸前のような、そんな女の子の声だった。
「待っててね」
声の主は私の手を握っている。
私は眠りに落ちていて、目を開けてその子の顔を見ることができない。
けれどその温もり、その声はとても懐かしくて、私の心を安らかに落ち着かせるものだった。
これは夢?
あなたは誰?
こんな真夜中に勝手に部屋に入ってきて、私の手を取って話しかけている、あなたは一体誰ですの?
「すぐに、向日葵の所にいくからね」
手から温もりが消える。
部屋は静寂を取り戻し、人の気配は消えた。
私の手は、少しだけ濡れていた。
櫻子「咳をすると抱き付く薬?」
西垣「誕生日だと聞いてな」
櫻子「わーい。プレゼントー♪」
西垣「偶然完成したんだが、爆発しなくてな。大丈夫、副作用として少し健康になるくらいだ」
櫻子「ありがとうございます!」
西垣「期限は約半日。そして使い方なんだが」
西垣「例えば私が飲んで咳をしたとする、すると一番近い所にいる相手が、抱き付いてくるということだ」
櫻子「ほへー」
西垣「今だったら、咳をした瞬間に大室が抱き付いてくることになるな」
櫻子「え?私、抱き付きませんよ?」
西垣「わかった。もう一度説明しよう」