佐藤「ほら、覚えてませんか? ちょうど二年前くらいに……」

田中「ああ……とある科学の超電磁砲、だっけ。 もう二年前になるのか、改めて時の過ぎる早さを実感させられたよ」

佐藤「そうですね、年々早くなっている気がします」

田中「……それで?」

佐藤「ああ、そうでした。 その超電磁砲、とある魔術の禁書目録というライトノベルが大元なんですけど」

田中「それは知っている」

佐藤「ご存知でしたか、すいません」

田中「別に謝る必要は無いが……本題は?」

佐藤「あ、そっか。 本題、学園都市ってすごいと思いません?」

田中「まあ、そうだな」

佐藤「ですよね!」

田中「???」 

とある魔術の禁書目録(インデックス) 17

井口「おなかへった」

阿澄「…………」ジトー

井口「いやん、そんな蔑むように見つめられたら興奮しちゃう」

阿澄「……なんで井口がベランダに引っ掛かているの?」

井口「それがさあ、玄関から入ろうとしたら開かなくて」

阿澄「井口みたいなのが入ってこれないように、鍵をかけているんです」

井口「ひどいよ! この人で無し! 今すぐ結婚しよう!」

阿澄「…………」ガラガラッ

井口「あ、ちょっと待って! 窓閉めないで! 阿澄さーん!!」 

井口「入れてくれてありがと、もこたん」スリスリ

阿澄「うざい」

井口「ナイスツンデレ!」グッ

阿澄「そういうのじゃないから」

井口「ツンデレはみんなそう言うんだよっ」デコピン

阿澄「…………」イラッ

井口「分をわきまえずに調子こいてしまって、誠に申し訳ございませんでした!」ドゲザ

阿澄「それで、何しに来たの?」

井口「もこたんと愛を育みに」キリッ

阿澄「何しに来たの?」

井口「……はい、実はですね」 

阿澄「とある魔術の禁書目録?」

井口「うん、覚えてるでしょ? 私がヒロインの声優を務めさせていただいた」

阿澄「……あのキャラはヒロインだったの?」

井口「辛うじて」

阿澄「まあいいや、それで?」

井口「禁書目録の声優陣で、これから撮影なんだって」

阿澄「は? 何を?」

井口「実写版、とある魔術の禁書目録」

阿澄「」 

阿澄「適当なこと言ってっと殴るよ?」

井口「いや、それなんてご褒ぐはっ!」チーン

阿澄「やれやれ、やっと静かになった」

ピンポーン

阿澄「……と思ったらこれか、居留守居留守」

ピンポーン
ピンポピンポピンピンピンピン

阿澄「うるせぇ!!」ガチャッ

伊藤「あ、ごめんなさい……」ションボリ

阿澄「かな恵……ちゃん?」 

阿澄「ど、どうちたの? 何か御用でちゅか?」

伊藤「ええ、実は……」

井口「んでっんでっんでっ」

伊藤「んでっんでっんでっ」

阿澄(最近の若い娘はようわからん……)

伊藤「井口さんに呼ばれまして」

井口「私が呼びました!」

阿澄「偉い、褒めてつかわす」ナデナデ

井口「えへへー」 

井口「えっとね、もこたんには既に伝えたんだけれど、今から実写版とある魔術の禁書目録でして」

伊藤「はあ、そうなんですか」

井口「かな恵ちゃん、主役です」

伊藤「え、ええ!? 何で!?」

井口「女主人公みたいなものらしいよ、男主人公と合わせて二人の主演になるみたい」

阿澄「またいい加減なことを……」

井口「あ、もこたんも主役ね」

阿澄「」 

阿澄「……蹴り飛ばすから、動くなよ」

井口「いや、ちょっと話を聞いぃぃん!!」

伊藤「だ、大丈夫ですか!?」

井口「わ……我々の業界では、ご褒美です」

伊藤(少なくとも私は違う……)

阿澄「井口、君はついさっき主人公は男女一対だと言ったはずだが」

井口「ええ、確かにその通りでございます」

阿澄「…………」ゲシッゲシッ

井口「ま、待って! これには深い事情が……ひぁんっ!!」 

――――

一年前

井口『ふっふーん! 今日のお仕事終っわっりー!』

井口『ん? 何だこれ』

井口『実写版禁書目録? へぇ、こんなのやるんだ』

井口『……ちょっと悪戯しちゃお』ニヤリ

――――

井口「という風に、キャストの阿部さんと阿澄さんを入れ替ぐふぉ!!」

阿澄「お前のせいか!!」

伊藤「阿澄さん落ち着いて!」ガシッ 

阿澄「……そもそも、実写化なんて話聞かされてないんだけど」

井口「ドッキリみたいなもんだからね、二人には知らせてないんじゃないかな」

伊藤「それで、何時から撮影なんですか?」

井口「それがね、実はm」

ピンポーン

阿澄「はいはーい、今開けますよっと」ガチャッ

伊藤「おはようございます」

阿澄「うわっ……伊藤が二人」

伊藤「はい?」ヒョコッ 

阿澄「一体何の御用ですかね?」

伊藤「本日は、そこにいる井口裕香を……渡してもらいに来ました」

井口「!」

阿澄「は、はあ?」

伊藤「大人しく差し出してくれるのであれば、何もする気はありません」チャキッ

伊藤「ど……どうしましょう?」

阿澄「どうするも何も……」チラッ

井口「…………」ブルブル

阿澄「……井口は私が守る!!」

伊藤「ほう……」 

伊藤「ならば、実力を行使させていただきます」ジャキン

伊藤「か、刀!?」

伊藤「お覚悟!」

阿澄「かな恵ちゃん!」ダキッ

伊藤「ふぇ!?」

阿澄「キャラチェンジ!」

伊藤「!?」 

伊藤「きゃ……キャラなりっ! アミュレットハート!!」

阿澄「スパイラルハート!」

伊藤「なっ!?」ゴツン

伊藤「今のうちに逃げましょう!」

井口「う、うん!」

タッタッタッ


伊藤「ここまでくれば、大丈夫ですかね」

井口「うん、そだね」

阿澄「……井口は何で追われているの?」

井口「あ、そのことなんだけど……怒らないで聞いてね?」 

井口「実写版とある魔術の禁書目録、今まさに撮影中なんだ」

阿澄「」 

井口「実は私がベランダに落ちた辺りから始まってたんですけど、中々言い出すタイミングが無くて」

井口「伊藤さん来ちゃったから言うに言えないし……ってあれ、パンチが飛んで来ない」

伊藤「阿澄さん、放心状態です」

井口「も、もこたーん!!」 

井口「落ち着いた?」

阿澄「あー……うん」

井口「あの、その……ごめんなさい」

阿澄「いや、私が井口の話をちゃんと聞かなかったのが悪い……ごめん」

阿澄「うう……それにしても恥ずかしい、穴があったら入りたい」カアッ

伊藤「で、でも! かっこよかったですよ!」

伊藤「『井口は私が守る!』って、正に漫画の主人公みたいでした!」

阿澄「」プシュー

井口「あ、とどめ刺した」 

能登「もし、そこのお三方」

井口「の、能登麻美子さん」

伊藤「どうしたんですか?」

能登「ええ、お金を貸していただきたいのだけれど」

井口「貸します貸します! もう何万円でも!」

能登「いえ、百円玉を一つ……うっかり財布を忘れてしまって」

井口「百円くらいならもう、普通にあげますよ」

能登「ありがとう、でも必ず返すわ。 じゃあ、またね」

伊藤「さようならー」 

井口「うはー、やっぱ能登さん良い声だなあ!」

伊藤「お財布忘れるなんて、意外とうっかりやさんなんですね」

井口「必ず返すってことは、また会えるってことだよね!」

阿澄「知らないよ、そんなこと」プイッ

井口「あれ、阿澄さん嫉妬ですか? 心配しなくても、私の嫁はもこた痛い!」

阿澄「違います!」 

井口「えっと、それでですね。 これからお話を進めなければならないのですが」

伊藤「次はどういう展開なんですか?」

井口「概略だけ述べると、今から杉田さんを倒しにいきます」

阿澄「えー、めんどくさい」

井口「まあまあ、そう言わずに」 

伊藤「その杉田さんは、どこにいるんですか?」

井口「あのおっきな建物」

阿澄「遠い、ダルい」

井口「いやいや! もうちょっと頑張って!」 

阿澄「まあいいや、ちょっと待ってて」

井口「あの……阿澄さん? 電話取り出して何をする気ですか?」

阿澄「もしもし、後藤さん? 阿澄です」

伊藤「普通に電話してますね……撮影中なのに」

阿澄「それがですね、ちょっと一人アレして欲しい人がいるんですよ」

伊藤「アレってなんでしょうね?」ヒソヒソ

井口「知らない方がいいよ……」ヒソヒソ

阿澄「ええ、では、また」ガチャッ 

阿澄「というわけで、なんとかなりそうです」

井口「無茶苦茶やん……」


阿澄「次は?」

井口「えっと、次は岡本さんを倒しに……ってもう電話してる!?」

阿澄「もしもし、阿澄です。 ええ、ちょっとけーじ君に頼みたいことがありまして」

伊藤「今度は藤原さんみたいですね」

阿澄「本当? ありがとうございます、それでは」ガチャッ

阿澄「次は?」

井口「あ、はい。 次は……」

以下略 

阿澄「さて、残すところ後一つとなりましたが」

井口「まだ始まってから二十分くらいなんですけど……」

伊藤「最後くらいは自分の力で何とかしてくださいね」

阿澄「はーい」

伊藤「それで、何をすればいいんですか?」

井口「んとね……そのね、あそこにいるお方を守りきればいいそうです」

阿部「」

阿澄「……いい年したお兄さんが女子高生の格好をしている」 

阿部「はぁ……帰りたい」ゲンナリ

阿澄「心中お察しします」

井口「ま、まあまあ……元気出してくださいよ!」

阿澄「張本人がそれを言うか」

阿部「もう俺なんて……ああ」

阿澄「あーあ、誰かさんのせいで」

井口「う……ごめんなさい」

阿部「不幸だ……」

伊藤「うじうじすんなーっ!!」クワッ

阿部「!?」 

伊藤「ちょっと女装したくらいでなんだよ! そんなんで一々落ち込んだりすんな!」

伊藤「例えどんな姿でも……どんな状況でも、役を演じきるのが声優ってもんじゃん!!」

阿部「…………そうだな。 俺、どうかしてた」

阿部「上っ面を偽れても、心にだけは嘘つけねえな」フフフ

阿澄(なんだこれ)

生天目「ふんふふーんふふーん」テクテク

伊藤「今、己の力を解き放つ時!!」

阿部「あつしのココロ、アンロック!!」

井口(ええー……) 

生天目「ばたんきゅー……」バタリ

井口「えー……実写版とある魔術の禁書目録、全てのプログラムが終了しました」

阿澄「お疲れ様でしたー」

伊藤「でしたー」

阿澄「かな恵ちゃん、今日は家で打ち上げしよっか」

伊藤「あ、いいですねー」

井口「ちょ、私も混ぜてよー!!」



新井「俗用多端な月を終え、いつの間にやらもう二月。 辰年と言えども、竜頭蛇尾にはならぬよう……お気をつけあそばせ」

-fin- 

支援thx
ただ阿澄と井口が書きたかった、それだけ。 


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