※原作5巻の内容有り 


りーさん「いやよ!絶対いや!」 

ゆき「りーさん!りーさん!落ち着いて!」 

りーさん「どこに落ち着ける要素があるのよ!こんなの!」 

りーさん「中でさえ!あの爆発でこんなになってるのよ!」 

りーさん「それじゃあ、もっと近くにいたあの二人は!」 

りーさん「あの二人が、無事なわけないじゃない!」 

がっこうぐらし!アンソロジーコミック 極


ゆき「そんなことないよ!なんで諦めちゃうの!」 

りーさん「ゆきちゃんが思ってるほど甘くないの!」 

ゆき「そんなの知ってるよ!でも諦めちゃダメだよ!」 

ゆき「二人は今も、必死に頑張ってるかもしれないのに!」 

ゆき「りーさんが諦めちゃダメだよ!」 

りーさん「じゃあどうしろっていうのよ!!!」 

ゆき「っ、でも、ここまでの頑張りをこんな簡単に無駄にしちゃダメだよ!」 

りーさん「そんなの私達が一番・・・っ」ハッ 


ゆき「今までも、色んな困難があったけど!全部乗り越えてきたんだよ!」 

りーさん「・・・」 

ゆき「生き抜いてきたのに、どうしてそれを無駄にするの!」 

りーさん「・・・ねえ、ゆきちゃん」 

ゆき「二人は今、生き抜こうとしてるんだよ!」 

りーさん「ゆきちゃん」 


ゆき「だから、りーさんも最後まで」 

りーさん「ゆきちゃん!!」 

ゆき「っ!?」ビクゥ 

りーさん「ねえ、ゆきちゃん」 

りーさん「あなた、もしかして全部知ってたの?」 

ゆき「え、な、なにが」タジ 

りーさん「だから!全部!この現実を知ってたのかって聞いてるの!」


ゆき「っ、あ、う」 

りーさん「あんた、ねえ・・・っ」ギリッ 

ゆき「で、でも」 

りーさん「ふざけないでよ!」バン 

ゆき「ひぃ!」ビクッ 


りーさん「私達がどんな思いで過ごしてきたと思ってるの!」 

りーさん「毎日毎日!夢ならいいなと思って!この現実を見てきて!」 

りーさん「どれだけ!辛い思いをしてきたと思ってるの!」 

ゆき「ち、ちが」 

りーさん「何が違うのよ!一人で現実から逃げ続けて!」 

りーさん「あなたの為を思って、みんながどれだけ苦労したか知ってるの!?」 

ゆき「ご、ごめん、なさい」グスッ 

りーさん「謝って済む話じゃないでしょ!」バンッ 


りーさん「みんな死にかけたのよ!あなたのせいで、何度も何度も!」 

りーさん「楽しかったでしょうねえ!周りが助けてくれて!」 

ゆき「そ、そんなことないよ!」ガタッ 

ゆき「ずるいのだって知ってる!でも、だって!」 

りーさん「ふざけないでよ!駄目な自分を演じて、何がだってよ!」 

りーさん「それじゃあ、私はなんなのよ!あなたを見守る私の役目はなんだったの!」 

りーさん「ただの、道化じゃない!」 


ゆき「なんでそんな卑屈になるの!」 

ゆき「りーさんはみんなのりーさんだよ!」 

ゆき「りーさんだって、みんなのこと大切な」 

りーさん「何わかったようなこと言ってるのよおお!」バキッ 


ゆき「かはっ」ドサッ 

りーさん「私は!私は!みんなが思うほど完璧じゃないの!」バキッ ドゴッ 

ゆき「いた、やめ、りーさん、やめて!」 

りーさん「そうよ!私だってこの環境に依存してるわよ!でも、何が悪いの!」 

りーさん「普通の女子高生に!何を耐えろっていうの!こんな環境で!」ポロ 

りーさん「どうやってしたら!平穏を保つことが、できるって言うのよぉ・・・」ポロポロ 


ゆき「りーさん・・・」 

りーさん「・・・ぅよ、そうよ、私は、ゆきちゃんの保護者じゃない」ブツブツ 

ゆき「り、りーさん?」 

りーさん「だったら、反抗するような子には、ちゃんと叱らないと」ブツブツ 

ゆき「りーさん、こ、こわいよ」 


りーさん「もう、もう二度と口答えできないように、ように、ように」 

ゆき「ひっ、いや、こないで!誰か!」ガタガタ 

りーさん「」ガシッ 

ゆき「や、やめて、りーさん、落ち着いて」ドサッ 


りーさん「ゆきちゃん」ガシッ 

ゆき「や、や、いや、た、たすけ」 

りーさん「お仕置きよ」マウントポジション 


バキッ バキッ ヤメ、タスケ! ゴキッ ギャアアア! イタイ! バキッ タスケテ! クルミチャン! ミークン! メグネエ! タス バキッ 


ガラガラガラ 


くるみ「っぷはあ!死ぬかと思った!」ハア 

みーくん「な、なんとか逃げ切りましたね」 

くるみ「後は、二人がちゃんと避難できてるかどうかだな」 

みーくん「あの煙の中とは言え、逃げ切れてるとは思います、けど」キョロキョロ 


くるみ「お、二人共いるじゃん、おーい!」 

みーくん「何とか辿り付き、ました、よ・・・」 


りーさん「」カエリチビッシャー 

ゆき「」ピクピク 


くるみ「な・・・っ!」 

みーくん「ゆき先輩!?」ダッ 

みーくん「ゆき先輩!しっかりしてください!ゆき先輩!」ガシッ 

ゆき「・・・みぃ、くん?」ヒューヒュー 

みーくん「っ、くるみ先輩!奥に救急箱があるはずです!お願いします!」 

くるみ「お、おう!待ってろよ!」ダッ 


みーくん「どうして、こんな、こんな・・・」プルプル 

みーくん「どうしてこんなことをしたんですか!りーさん!」 

りーさん「・・・」ブツブツ 

みーくん「何か理由があるなら言ってください!先輩!」 

りーさん「・・・さない」 


りーさん「許さない、そうやって、私をはめようとして・・・」ブツブツ 

みーくん「え、せ、せん、ぱい?」 

りーさん「お仕置き、ね」フラッ 

みーくん「え、ちょっと、先輩、何やって」 

ゆき「・・・ひぁ、た、す」 

りーさん「」バキッ 


みーくん「な!?先輩!?」 

りーさん「返して、返して、私の日常、返して、よ」バキッ ベキッ 

みーくん「先輩!やめてください!先輩!」ガシッ 

りーさん「返してよおおお!!!」バキッ 

みーくん「やめて!先輩!先輩!誰か!誰かああああああああ!」 


程なくして、りーさんはくるみ先輩の手によって止められた。 
何とかして落ち着いた私達が見たのは、ゆき先輩の血まみれの顔。 
私には怪我の種類は分からないけど、ゆき先輩は苦しんだ末に、翌朝、冷たくなっていた。 


くるみ「あ、ぅあ、ゆき、ゆきぃ、ごめん、ごめん・・・っ」ポロポロ 

みーくん「せん、ぱい、え、なんで、なんで、ゆきせんぱい?」ボーゼン 


結局、あの日、何があったかは分からない。 
ゆき先輩が亡くなって、誰も喋らず、ずっと泣いて、泣き疲れて寝てしまって。 
目覚めると、りーさんはいなかった。探して、閉められたドアを見つけて。 
微かに開いていたドアの隙間から見える部屋の中で、りーさんの足は床から数cm浮いていた。 


もう、残り二人となった学園生活部に、明るい笑い声は聞こえない。 
私も、くるみ先輩も、何日もこうして、ふさぎこんでいる。 
シャッターの奥から、奴らの声が聞こえる。突破されることはないが、出ることもできないだろう。 
笑顔の無くなった私たちは、暗い世界の中で、ひっそりと息を止めるしかできない。 

ああ、もう、考えるのも面倒になってきた。 
もう、いいや、こんな、こんな世界。 
次に、もし次に、生まれ変われるとしたら、そしたら、また、学園生活部で集まって。 
それで、こんどは、みんなが、みんなで  

みーくん「卒業、したい、な・・・」 


終 


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