原村和と電子書籍と私

咲-saki- のどっち

咲「和ちゃん、なにしてるの?」 

和「これですか? 今は電子書籍です」 

咲「あ、知ってる! 本がいっぱい入るやつだよね。いいな~」 

和「よかったら使ってみますか?」 

咲「え、いいの? ありがとう、和ちゃん!」 

和「いえ……///」

和「使い方は分かりますか?」 

咲「もー、いくら機械に疎い私でも知ってるよ。こうやって画面をなぞるんだよね……あ、あれ? 動かない……」 

和「貸してください。もしかしたらロックされてるのかもしれません」 

咲「だ、大丈夫? 壊れてない?」 

和「? 普通に動きますね」 

咲「ホントに? よかった……」 

和「今度はタッチパネルに気を付けて持ってみてください」 

咲「うん、やってみるね……これで大丈夫かな?」 

和「はい、それで優しく触れてな、なぞってみてください///」

咲「あれ、やっぱり動かないよ?」 

和「おかしいですね。何故でしょうか?」 

咲「……」 

和「……」 

咲「……」ウル 

和「さ、咲さん!?」 

咲「やっぱり私なんて……自動ドアも開かないしタッチパネルも反応しないし妹なんて居ないって言われるしスカートは間違えて履くし……ダメ人間なんだ」ブツブツ 

和「そんなことありません! 咲さんは立派な人です。私の親友です。いくら咲さんでも私の親友を卑下するのは赦せません!」 

咲「……よく見るとこの画面、百合官能小説だし」 

和「」 

咲「ありがとうね、和ちゃん。私ちょっと自信出てきたよ。私でもさすがに親友に官能小説読ませないもん。身を以て教えてくれるなんてさすが和ちゃんだよ」 

和「」 


かん

原村和(22)「百合キャラ、ですか?」 

社長のイメージは俳優の小倉久寛さん 
先輩のイメージCVは甲斐田さんか皆川さんです。

社長「突然だが原村くん。君は百合キャラで売りだそうと思う!」 

和「百合キャラ、ですか?」 

社長「最初の売り出し方は重要だからねー。今回の役員会議は凄かったよ。君は正統派路線・アイドル路線・百合路線、その他諸々どれでもいけそうだったから。最終的にアイドルか百合かで分かれてね、本人に決めてもらおうかって話も出たんだけど……いきなり君のお父さんから電話がかかってきてね? 『娘にアイドルなんてさせられるかー』なんて怒鳴られてしまってね」 

和「父が……」 

社長「あ、これ僕がバラしたって言わないでね? 怒られちゃうから。『娘とはまだ喧嘩中だ』なんて言ってたくせに過保護なんだから」 

和「はい、有難うございます」 

社長「で、百合路線でいいかい? 君はお父さんに似て昔から頑固だったから」 

和「はい、お願いします」 

社長「本当に大丈夫かい? テレビに出る以上、生半可な覚悟では務まらないよ? 百合路線は特に、ね」 

和「大丈夫ですよ、おじさん。私は……レズですから」ゴッ 

社長「……そりゃ原村も安心だ」

Bar誠 

憧「和ー、久しぶり」 

和「お久しぶりです、憧。お先に失礼してます」 

憧「いいよいいよ。そんな事より最近スゴイじゃん! ラジオにテレビに。あ、誠子さん、私モスコミュール」 

和「私としては実力で評価されたいのですが。それより憧も相変わらず凄い人気ですね。先日の『麻雀で気になるあの人をオトす方法』参考にさせてもらいました」 

憧「あーあれ? 私が書いたやつじゃないわよ?」 

和「え、そうなんですか!? というかそんな事言ってしまって良いんですか?」コソ 

憧「いいの。だってあれもう雑誌に書いたネタだし。その雑誌でも表紙には私の名前が使われてたけど、実際読むと殆どが公募されたテクに私が一言添えただけのだから」 

和「流石ですね……」 


憧「まぁね。でも私ももっとデザインに集中したいわ。さすがにもう中高生向け雀士はキツイ、年齢的にも精神的にも」 

和「年齢ってまだ23じゃないですか」 

憧「それでもキツイのよ! 今の若い子の言葉調べるのとか。それに今の中高生ってなんか怖いし。仕事で一緒になっても性の話ばっかで。そういう子達向けの仕事ってのは分かってるんだけど……麻雀で結果残してないから何も言えないし……」 

和「酔ってるんですか? 相変わらず酔うの早いですね」 

憧「和こそ何か無いのー? 業界の先輩としてど~んと解決あげる!」 

和「そうですね……以前こんな事がありました。ちゃちゃのんさんとパーソナリティしてるラジオに、ある先輩雀士がゲストに来たとき――」 


―――― 
――

和・いちご「ありがとうございました」 

先輩「はい、ありがとう」 

先輩「……おい、佐々野。前に面倒臭い絡み方すんなって言ったよな」 

いちご「はい、すみません」 

先輩「なのに何だ今日は? カワイ~だ、お姉さま~だとか。終いには彼女にするなら妹にするなら~、だ?」 

和「それは 「しっ、口答えせん」ボソ 

先輩「分かってるよ。フリーの台本通り、事務所のご意向通りなんだろ? でもな、私は一応実力で売ってるんだ。それにもうアラサーだしそろそろ結婚したいんだよ、男と。この前実家に帰ったらなんて言われたと思う? 何も言われなかったよ。ただ恋愛ドラマ見てるとき父さんに溜息吐かれたんだよ。母さんならまだ分かる。でも父さんにまで……」 

いちご「あ~、ドンマイ?」 

和「ご愁傷さまです」 

先輩「他人事! お前らのせいでもあるんだからな。っていうかお前が原因だよ佐々野! お前が『ラジオ初めてですか? 任せて下さい!』なんて言うから任せたらこれだよ。いつの間にかヅカキャラ扱いだよ!」 

和「なら女性と結婚してはどうですか?」 

いちご「そうじゃ、女にはモテモテじゃけぇ」 

先輩「じゃあ結婚してくれ」 
いちご「私アイドルですので」 
和「私は咲さん一筋ですので」 

先輩「知ってるよ! 原村は毎回OPで『咲さ~ん!』て叫んでるもんな! 芸人の一発ギャグみたいに。ホント今日で印象がガラリと変わったよ。もっと気難しい奴だと思ってたよ」 

和「ええ、最初は嫌でしたが一度やってみると癖になりますね。一週間溜めに溜めた咲さんへの想いを一気に開放する。それだけでその後の収録のテンションはMAXです」 

いちご「今も若干テンションが上ってるけえ」 

先輩「それ、宮永咲は知ってるのか?」

和「……」 

いちご「え、ホントに?」 

先輩「……私は何も聞かなかった」 

和「いえ、別に咲さんが強化遠征から帰国するまでに既成事実を作っておこうなんて思っていないですよ?」 

いちご・先輩「こわいわー」 

和「咲さんの事が好きな人は真似をすれば良いだけです」 

和(まぁ、真似する人が増えれば増えるほど私の知名度が上がるだけですけど) 

―― 
―――― 

憧「めちゃくちゃ楽しんでるじゃない!」 

和「因みにその先輩とちゃちゃのんさんは、今いい感じです」 

憧「それこそスキャンダルね」 


?「いいこと聞いちゃった☆ミ」 

憧「はやりんさん!」 

和「くれぐれも口外無用でお願いします」 

はやり「分かってるよー。これ以上、人の婚期を遅らせられないからね」 

憧「昔――じゃなかった数年前、はやりんさんのパートナー、ネットで大変でしたからね」 

はやり「あは、聞かなかったことにしてあげる。やっぱり、アイドルのパートナーもアイドル扱いされちゃうみたい……だから二人も気を付けなきゃダメだぞ」 

和「はやりさん……」 

はやり「今はそんなことよりー、牌のおねえさんが代替わりしそうなの!」 

はやり「なんか今度4Kテレビとか出るでしょ? はやりの歳だとアレなんだって……。画質なんか上げるより、画像処理技術上げればいいのに……バラエティの画質なんて誰も気にしないよね? 大自然でも撮ってろよ☆」 

憧「そ、そうでよね」 

はやり「ちなみにー、第一候補は和ちゃんだから」 

和「ふぁ!?」 

憧「やったじゃん、和!」 

和「待って下さい。その場合……咲さんとの結婚は?」 

はやり「んー。牌のおねえさんやってる間は無理なんじゃないかなー」 

和「辞退します」 

はやり「こればっかりは協会のご指名だから。でも12月の終わりまでに頑張ればなんとかなるかもしれないよ? 私のためにもがんばって☆」 

~~~~ 

和「そんなこんなで約半年。私は死に物狂いで頑張ったわけです」 

咲「じゃあもしかして、空港のって!」 

和「はい! なんと私の『咲さ~ん!』が流行語大賞候補にまでなりました!」 

咲「」 


カン

魔王眼鏡咲とその姉 

都合のいい能力解釈があります 
口調が変です

咲「お姉ちゃん弱くなったよね」クイ 

照「なに?」 

咲「不器用な器用貧乏って感じかな」 

照「意味が解らない」 

咲「能力がいっぱいあるけど、どれも微妙って事だよ。それなのにその能力に頼って、『麻雀を打たされている』」 

照「どういう事?」 

咲「まず淡ちゃんの言って『ギギギ』って能力」 

照「いきなりそこから!?」 

咲「奥の手みたいだけど、奥過ぎて使えないよ。インターハイとは言え、素人相手に使い処が見つからないってどういう事ですか?」 

照「え、いきなり詰問調? いえ、すみません」 

咲「次に、主力の連続和了」 

照「はい」 

咲「……つまらないですね」 

照「え」 

咲「つまらないです。早くてつまらないです」 

照「///」 

咲「なに赤くなっているんですか? キモチワ――るくはないよ、うん。えーと、意外性がありません。次に和了る手が大体分かってしまいます。それでは相手にプレッシャーを与えられません。あなたは追い上げる時も、ちまちま点を上げていくつもりですか? 上げて上げて落とす、これが絶望させるコツです」 

照「」 

咲「話が逸れましたね。主力の連続和了も、インターハイで連携されて止められました。その度に安手からやり直し、連続3回までは怖くありません」 

照「……」 

咲「睨まないで下さい。これは指導です」 

照「クッ……」 

咲「最後に小鍛治プロの言っていた照魔鏡。これはとても良いですね」 

照「え、ホントに?」パ-ッ 

咲「褒めたら直ぐこれですか。まるで可愛い犬ですね。『能力は』とても良いです。ただ問題はあなた自身です。あなたは照魔鏡を覚醒させてから、しっかりと対戦相手を見てきましたか? 子供の頃から積み重ねてきた経験と洞察力を捨てていませんか?」 

照「……」 

咲「心当たりはあるようですね」 

照「はい、言われてみると攻撃面でも配慮が欠けていた気がします。速攻が癖になって、打牌と視線を疎かにしていました」 

咲「そうですね、よく出来ました」パチパチパチ 

照「はい、有難うございした!」 

咲「……なに終わった気になってるのですか?」クイッ 

照「いや、さっき最後――」 

咲「口答えしない」 

照「そろそろお菓子食べたい……」 

咲「なら食べながらでいいです」 

照「うん」モグモグ 

咲「はぁ……かわい」 

照「咲も食べる?」モグモグ 

咲「ありがとう、お姉ちゃん」 

咲「じゃあ続きね? レジェンドさんと加治木さん曰く、能力には大まかに分けて2通りあるそうです。相手より支配力が弱い場合に、作用するかしないか。もっと違う観点からも分けられますが、今は置いておきます。そして支配力補正は基本的に効果範囲が狭いほど、条件が厳しいほど、利益が小さいほど、大きくなります。」 

照「それがどうしたの?」 

咲「お姉ちゃんの連続和了は後者(作用しない)で、効果範囲は自分ひとり、条件は少し厳しい、利益は少し大きい、です」 

照「それは咲も同じようなもの。天江衣に半泣きにされてた。何度も観直したから間違いない」 

咲「……いえ、違います。連続和了は和了そのもの。対して私は王牌のみです。別に嶺上開花じゃなくても和了れます」 

照「つまり咲は支配力で負けても別の手段があるけど、私は無いと言うこと?」 

咲「うん。私心配だよ……。きっとこのままプロになっちゃうと、上位で勝てなくて、カツ丼さんみたいな……グスッ」 

照「大丈夫だよ、咲。私はお姉ちゃんだから。咲が応援してくれれば誰にだって勝てる」ダキッ 

咲「お姉ちゃん……///」ギュ 

照「言い忘れてたけど咲、その眼鏡似合ってる」 

咲「そ、そうかな……えへへ///」 


菫「……なんだこれ?」 


かん


http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1397736927/