楓「・・・・・・」 

楓「・・・・・・」 

楓「・・・暇だな」 

楓「・・・・・・」 

楓「・・・・・・」 

ラジオCD「のんのんだより りぴーと!なのん」にっ/村川梨衣/佐倉綾音

楓「そういやあいつら」 

楓「最近来ないな」 

楓「はは・・・は・・・は・・・・・・」 

楓「・・・・・・」 

楓「・・・・・・」 

テレビ『コレハマレーバクトイイマシテ』 





楓「・・・・・・」 

楓「(・・・このアニメのキャラクター)」 

楓「(れんげにそっくりだな・・・)」 

楓「・・・・・・」 





楓「」ボー 

楓「・・・・・・」 

楓「・・・少し在庫の整理でもするか」スッ 

楓「」ガサガサ 

楓「!」 





お菓子『』 





楓「・・・・・・」 

楓「・・・これ」 

楓「れんげが・・・好きだったやつ・・・」 

楓「・・・・・・」 

楓「」ガサガサ 

楓「・・・・・・」 

楓「あとは適当に掃除でもしておくか・・・」 

楓「」パッパッ 

楓「?」 

楓「これは・・・」スッ 

楓「れんげが・・・赤ん坊だった頃の・・・」 

楓「注意事項をまとめた紙じゃねぇか・・・」 

楓「はは、まだ残っていたのか」 

楓「もう・・・こんなにボロボロになっても・・・」 

楓「本当に・・・懐かしいな・・・」 

楓「・・・・・・」 

楓「(・・・・・・)」 

楓「(あぁ・・・確かに懐かしいな・・・)」 

楓「(懐かしい・・・懐かしい・・・)」 

楓「(今でも覚えているぞ、れんげ・・・)」 

楓「(あのときは本当に大変だった・・・)」 

楓「(ミルク、人肌に温めるの、大変だったんだぞ?)」 

楓「(れんげ・・・)」 

楓「(それなのにお前ときたら)」 

楓「(私の膝の上で、呑気にミルクを飲みやがって・・・)」 










楓「(一段落したら、ホッとしたのか)」 

楓「(急に眠くなって)」 

楓「(お前と一緒に昼寝したんだよな、れんげ・・・)」 










楓「(れんげの世話は確かに大変だった)」 

楓「(でも、いつの間にかれんげと一緒にいるうちに)」 

楓「(れんげに会うのが楽しみになっていた)」 

楓「(翌日も私はれんげに会いに行って)」 

楓「(髪、結んでやったんだっけ・・・)」 

楓「(・・・・・・)」 










楓「(なんでこんなに鮮明に覚えているんだろうな・・・)」 

楓「(あぁ・・・そうだ・・・)」 

楓「(初日の出のときも・・・)」 

楓「(私がれんげをおんぶしたんだっけ・・・)」 










楓「(綺麗だったな)」 

楓「(早起きした甲斐があったな)」 

楓「(れんげ・・・)」 










楓「はは、はは・・・」 

楓「どんどん思い出していくわ・・・」 

楓「・・・・・・」 











楓「私、どうかしちまったんだろうな・・・」 

楓「何してんだろうな・・・」 

楓「・・・・・・」 

楓「・・・・・・・・・」 

楓「」ジワ 

楓「―――っ!」ダッ 










楓「はぁ・・・はぁ・・・!」 

楓「なんで私・・・店を飛び出してきちまったんだよ・・・」 

楓「シャッターも閉めてねぇよ・・・」 

楓「は・・・はははは・・・」 

楓「・・・・・・」 

楓「・・・!」 

楓「ここは・・・」 










楓「れんげの・・・自転車の練習につきあったところ・・・」 

楓「いつの間にかこんなところまで来ていたんだな・・・」 

楓「本当、何やってんだよ、私・・・」 

楓「・・・・・・」 

楓「(・・・れんげ、何度転んでも)」 

楓「(泣きもせず、一生懸命やっていたな・・・)」 










楓「(日が落ちるまで、何度も何度も繰り返し練習して)」 










楓「(やっと・・・やっと乗れるようになったんだよな・・・)」 

楓「(あのときは嬉しかったか? 全部お前の努力のおかげだったんだぞ?)」 

楓「れんげ・・・」 










楓「・・・・・・」 





キキキキキキキキキキ・・・・・・ 





楓「・・・・・・」 

楓「・・・懐かしいな」 

楓「私はここで」 

楓「確かにれんげと一緒にいたんだよなぁ」 

楓「一緒に・・・」 

楓「・・・・・・」 

楓「・・・・・・・・・」 






楓『...ℤℤℤ』 





プルルルルル・・・     プルルルルル・・・・・・ 





楓『うーん・・・』 

楓『・・・誰だよこんな時間に』 

楓『はい、加賀山ですけど・・・』 

楓『え? あぁ、どうも先輩の・・・』 

楓『・・・・・・』 










楓『 え ・ ・ ・ ・ ・ ・ ? 』 















楓「・・・・・・」 

楓「・・・なぁ、れんげ」 

楓「お前、本当は生きているんだろう?」 

楓「どこかに隠れていて、隙を見計らって」 

楓「私を脅かすつもりなんだろう?」 

楓「なぁ」 

楓「れんげ」 

楓「れんげ・・・」 

楓「・・・・・・」 

楓「先輩・・・ねえねえに心配かけさせちゃダメだろ?」 

楓「なぁ、早く帰ってこいよ」 

楓「自転車、買ってもらったばかりなんだろ?」 

楓「もっとあいつらと一緒に出掛けろよ」 

楓「ついでに私のところに来て」 

楓「何か買っていけよ」 

楓「私はいつでもいるんだから」 

楓「なぁ? れんげ・・・」ウル 

楓「う・・・うぅ・・・っ!」グス 

楓「信じられるわけねぇだろ・・・!」 

楓「だって・・・あんなに・・・」 

楓「あんなに元気だったのに・・・!」 

楓「なんでれんげが・・・!」 

楓「れんげ・・・! 私はここにいるぞ!」 

楓「また駄菓子屋って呼んでくれよ!」 

楓「奥に上がって煎餅でも食いながら」 

楓「テレビだけ見て帰っても良い!」 

楓「お菓子なら好きなものを好きなだけ持ってけ!」 

楓「金なんていらねぇよ! お前がいてくれれば良いんだよ!」 

楓「もう一度・・・お前に会いたいんだよ・・・!」 

楓「顔が見たいんだよ・・・」 

楓「れんげ・・・」 





楓「失われた命は・・・」 

楓「もう二度と帰ってこないなんて・・・」 

楓「信じたくねぇんだよ・・・」 





楓「れんげ・・・れんげ・・・・・・」ポロポロ 










――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 




楓「!!」ハッ 

楓「」ガバ 

楓「・・・・・・」 





チュンチュン     チチチチ・・・・・・ 





楓「・・・・・・」 

楓「夢・・・?」 

楓「・・・・・・」 

楓「そうか・・・夢・・・だったのか・・・」ウル 

楓「はは・・・はははは・・・」ポロポロ 

楓「・・・・・・」 

夏海「駄菓子屋ー! 来たよー!」 

小鞠「さて、何買おうかな?」 

蛍「お邪魔します」 

れんげ「にゃんぱすー」 





楓「!!」ガタン 





楓「れんげ!!」ガシ 

れんげ「なのん!?」ビク 

楓「れんげ・・・!」 

楓「(良かった・・・! 生きていた・・・!)」 

楓「(本当に夢で良かった・・・!)」 

れんげ「だ、駄菓子屋どうしたのん!?」 

れんげ「ウチ、何かしましたか!?」 

夏海「えぇっ!? 駄菓子屋どうしたのさ?」 





楓「・・・・・・」 





楓「・・・いや、何でもねぇよ」 

れんげ「?」 

楓「あ、そうだ」 

楓「れんげ、このお菓子おまけしてやる」スッ 

れんげ「おぉ! 何だかよくわからないけど」 

れんげ「駄菓子屋が太っ腹なのん!」 

れんげ「駄菓子屋、ありがとうなん!」 

楓「今回だけだぞ?」ニコ 

夏海「あー! れんちょんだけズルいー!」 

夏海「ウチにも何か頂戴よー!」 

楓「お前はちゃんと金を置いていけ!」 

夏海「ケチ! やっぱり駄菓子屋はれんちょんにだけ甘いんだからー」 

楓「あ? 何か言ったか?」 

夏海「夏海ちゃん何も言ってませーんwwww」 

楓「」ゴキ 

夏海「」ゴト 

れんげ「なっつんが遂に倒れたのん・・・」 

小鞠「あーあ・・・」 

蛍「うふふふ」クスクス 










楓「(何の変哲もない日常が)」 

楓「(どれだけ大切なものか)」 

楓「(わかった気がする)」 

楓「(れんげ、お前が大きくなって)」 

楓「(この村を離れることになっても)」 

楓「(私はずっとここにいるぞ)」 

楓「(だから寂しくなったら)」 

楓「(いつでも帰ってこい)」 

楓「(そしたら・・・)」 

楓「(おかえりって、言ってやるよ)」 

楓「(そんな日が来るまでは)」 

楓「(ずっと元気でいてくれ、れんげ)」 









楓「(それが私にとって一番の幸せなんだ・・・)」 








終わり


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