※モバマス×艦これのクロスオーバー作品となっております。 

※独自の世界観、設定などが含まれております。 

※口調、性格等のキャラ崩壊と思われる表現があるかもしれません。

モバP「鎮守府ってことはあれですよね?最近話題になってる艦娘と呼ばれてる娘が配備されてるっていう…」 


ちひろ「その前に、プロデューサーさんは艦娘についてどのくらいご存知ですか?」 


モバP「ニュースや新聞で見た程度の知識しかありませんが、確か… …」 


数年前、突如深海棲艦と呼ばれる過去に沈んだ船の亡霊のようなものが出現。 
これにより海の治安は一気に悪くなり輸送船や漁船が被害に遭うという事件も起きた。 
が、時を同じくして艦娘という兵力が全世界で配備されることになった。 
その結果、世界はなんとか深海棲艦が現れる前の状態を維持することができている。 
基本的に艦娘の情報は各国でトップシークレット扱いで 
日本もドイツの数隻の艦娘以外の他国の艦娘の情報はほとんど入っていないと聞く。 



モバP「と、まぁこの程度ですかね。」 


ちひろ「そうですね。大体合っています。」

モバP「でも、どうして鎮守府がアイドル事務所に仕事の依頼を?」 


ちひろ「簡単に説明させていただきますと、広報活動の一環らしいです。」 


ちひろ「ほら、よく戦闘機の航空ショーがあったり、港に停泊している軍艦の周りをボートがクルージングしてたりするじゃないですか。」 


モバP「あぁ、確かにありますね。そういうの。」 


ちひろ「海の平和を守ってくれている艦娘といえども、やっぱり兵器ってイメージが一般市民にはありますからねぇ。」 


ちひろ「より多くの人に艦娘の存在を知って、理解を深めてもらうためにライブショーをやりたい、ってのが先方からの相談なんです。」 

モバP「それじゃあ、今回の仕事はその艦娘をプロデュースするってことですか?」 


ちひろ「いいえ、初めはそういった提案だったのですが、それだと今、艦娘を支持している人たちばかりに注目されてしまうので 

    こちらの事務所のアイドルと合同でライブを行うことで、より知名度を広めたほうがいい、というところに話が落ち着きまして。」 


ちひろ「今回はライブの完成度よりも、艦娘の良さを引き出せる面子を用意して欲しいとのことです。」 


モバP「はぁ、話は分かりましたが、それならもっと大手のアイドル事務所のほうがいいのでは?」 


ちひろ「大手は大手でいろいろと事情がありますからねぇ…なかなか難しいみたいですよ。」 


ちひろ「それにうちは大所帯で人材も豊富、割と仕事に関しては自由がききますからね。」 

モバP「それで、俺は何をすればいいんですか?」 


ちひろ「プロデューサーさんにはまず、こちらの資料とDVDを見てもらいます。」チョンチョン 


ちひろ「中身は先方が指定した三人の艦娘のプロフィールと仕事中、日常の様子を見せてもいい範囲で提出してもらいました。」 


ちひろ「これを見て相性の良さそうな子を直感で選んで、ユニットを組んで欲しいのです。」 


モバP「直感って…かなり責任重大のような気がするのですが…」 


ちひろ「そうですね。今回の件について補足で説明させていただきますと…」 

ちひろ「こちらからは、アイドルの他にトレーナーさん達も同行してもらいます。」 


ちひろ「艦娘の子達は、任務の一環として今回のライブに取り組んでくれるそうなので 

    途中で投げ出したり、中途半端な仕上がりになる可能性は低いと思ってもらって構いません。」 


ちひろ「レッスンの時間を確保できるような任務のローテーションを組むとも言ってくれています。」 


ちひろ「ですからライブ自体は大きな失敗になることはないと考えていますが…」 


ちひろ「プロデューサーさんの選択が、大きな成功へと導く鍵になると思っています。」 

モバP「・・・・・・・・・」 


ちひろ「難しく考える必要はないんですよ。プロデューサーさん。」 


ちひろ「いつものように、この子とあの子の組み合わせならステージで輝けるだろうなぁ、とかそれくらいの気持ちで取り組んでもいいんですよ。」 


ちひろ「私はプロデューサーさんのことを…信じてますから」ニコッ 


モバP「ちひろさん…分かりました。お引き受けします。絶対に成功させてみせますから!」

・・・・・・・・・  
……  


ー横須賀鎮守府 会議室ー 

モバP「本日はお忙しい中、時間を作っていただき誠にありがとうございます。」 


提督 「お待ちしておりました。まずは今回の依頼、承諾していただいたことに感謝致します。」 


モバP「いえいえ、こちらこそ。うちのアイドル達には幅広く活躍してもらいたいと思っておりますので、いい経験になれば、と思って引き受けたまでですので。」 


提督「こちらとしてはありがたいものです。では、早速ですが仕事の話に移りましょうか。」 


モバP「えぇ。本日はアイドルと艦娘の顔合わせと自己紹介、今後のスケジュールと方針について話し合いたいと思います。」 

提督「そちらにいらっしゃる三名が、うちの娘たちに力を貸してくれる方々ですか…なるほど、どなたもいい目をしている」 


モバP「恐縮です。至らない点もあると思いますが、この子達ならいい結果をもたらしてくれると信じています。」 


提督「では、こちらの主役たちにも入ってきてもらいますか。おーい、入ってきてくれ」 


?「はい、失礼します」ガチャ 


モバP(会議室のドアを開けて入ってきたのはセーラー服に長い黒髪、ヘアバンドとメガネをかけた女性だった。そして、その後ろから一列に並んで3人の艦娘が入ってきた) 


?「提督、ご指示のあった艦娘三名連れてまいりました。」 


提督「ご苦労。では、各自CGプロの皆さんに自己紹介を始めてくれ。」

響「了解、暁型駆逐艦二番艦  響だよ。その活躍ぶりから不死鳥の通り名もあるよ」 


望月「ん?あぁ、あたしの番かー。睦月型駆逐艦11番艦  望月でーす。」 


不知火「陽炎型駆逐艦二番艦 不知火です。ご指導ご鞭撻、よろしくです。」 


提督「今回は知名度の向上も兼ねているので、メディア等で既に紹介されている、ネームシップである一番艦は除外させてもらっています。」 


モバP(資料通りというか軍人っぽさがあまり感じられない。武装していなかったら普通の女の子に見えるな。) 


モバP「ご丁寧にありがとうございます。では、こちらの紹介をさせていただきます。」 


アナスタシア「ダー。ミーニャ ザヴート アーニャ。アーニャは、ええと…ニックネームよ。私はアーニャ…アナスタシアです。よろしく。」 


荒木比奈「あー、えーっと荒木比奈っス。趣味は漫画を描くことっス。よろしくです。」 


八神マキノ「八神マキノよ。よろしく頼むわ。」 


モバP「アーニャには響さん。比奈には望月さん。マキノには不知火さんとユニットを組んでもらう。 
    
   基本的にはペアになった子の面倒を見てやって欲しいんだが、最終的にはこの6人でステージに立つ場面もあるので
    
   全員の呼吸を合わせられる関係になることが目標だと思ってくれ。」 

那珂ちゃんいないなんて失望しました 
みくにゃんのファン辞めます

アーニャ「よろしく。えっと…ヒビキ?」 


響  「うん、響でいいよ。私もアーニャって呼ぶから。」 


比奈  「よろしく頼むっスよー。望月…さん」 


望月  「んあー、まぁテキトーによろしくね、荒木さん」 


比奈 (プロデューサー!聞いてた話とチガウっスよ!やる気が感じられないんスけど…) 


不知火 「言われたことは何でもやるつもりでいます。そのように命令されてますので。」 


マキノ 「あら、それは結構。お互いスマートにやっていきたいものね。」 

みくにゃんいないなんて失望しました 
那珂ちゃんのファン辞めます

提督「挨拶も終わったところで、鎮守府内での規則を皆さんに説明してもらえるかな。」 


?「はい、提督。」 


任務娘「ご挨拶が遅れました。私のことは…そうですねぇ、任務娘とお呼び下さい。」 


モバP「任務娘…ですか?」 


提督「あぁ、あまり詮索しないでもらえると助かる。」 


任務娘「CGプロの皆様には鎮守府内にいる間はこちらの身分証明書を首から下げてもらいます。」

モバP(任務娘さんの手には四枚のはがきくらいの大きさのカードがあり、 
    
   それぞれの顔写真とバーコードのような模様が入っていた。) 


比奈「あー、見たことあるっスよ、それ。オリンピックで関係者が首から下げてたやつに似てますねぇ。」 



任務娘「はい。それと同じものと考えて頂ければ結構です。注意して欲しい点が二つあります。 
     
    必ず他の人の目に付くところに付けること。コートの内側やポケットにしまう等の保管の仕方は 
     
    セキュリティの関係上皆様の安全を保証しかねる行為と判断させていただきます。」 

那珂ちゃんとみくにゃんがいないなんて残念です 
茜ちゃんのファンやめます

アーニャ「どういうこと、ですか??」 


マキノ「つまり証明証が見えなかったら私たちそっくりの不審者。もしくは、危険物を隠し持ってる侵入者扱いされるってわけね。」 


任務娘「はい、そのとおりです。ですが、いきなり暴力的な行為をこちらが取ることはないので安心してください。 
    
    声かけをしてから、不審な点があれば拘束させていただく程度ですので。 
    
    あと、なくした場合は私のところまで来て頂ければ再発行致します。 
    
    また、レッスンや入浴の際は外してもらっても結構です。」 



アーニャ「入浴…お風呂に入れるのですか?」 

任務娘「はい、レッスンで汗をかくと思いますので入浴施設の使用は許可が下りています。 
     
    また事前に申請さえしていだだければ宿泊することも可能です。」 


任務娘「CGプロの皆様が行ける箇所とまとめさせていただきますと 
    レッスン用の屋内運動場及びグラウンド 
    中庭 
    大浴場 
    食堂 
    駆逐艦寮 
    そしてこの会議室と思ってください。」 



任務娘「他にもわからないことがあればいつでも質問してください。」 

モバP「次はこちらの今後の予定だが…」 


モバP「ここでの仕事は、あくまで他の仕事と同列に扱って欲しい。」 


モバP「他の現場での収録があればそちらにも行ってもらうので、ずっとここにいることは出来ないと思って欲しい。」 


提督「それはこちらにも言えることですね。長期間留守にする任務を担当させることはしないが 
    

   鎮守府周辺の警備任務や演習は通常通り行ってもらう。」 

モバP「なので宿泊やレッスン以外の時間に鎮守府に留まるかどうかは各自の判断に任せるが、 
    
   あくまで無理のない範囲で頼む。スケジュール管理もプロの仕事だからな。」 



モバP「ライブは一ヶ月後に行われる。正直、初めての試みなのでうまくいくかどうかは分からないが 
    
   最高のステージになるよう俺の方でも出来る限りのことはさせてもらう。 
    
   みんなで、まだ誰も見たことのないステージを創ろう!」 


……… 
…… 
… 

ー比奈&望月編ー 


比奈 (望月とユニットを組んでから、3度目の合同レッスンが終わったっス。) 


比奈 (相変わらずやる気が感じられないものの、教えられたことは出来るようになるまでやっているところを見ると 
     

    嫌々やってるわけでもないって感じなんスよねぇ…) 


モバP「お疲れ様です。トレーナーさん、比奈。」 


トレーナー「あっ、プロデューサーさん。お疲れ様です。」 


比奈「お疲れっスよー。様子でも見に来たんスか?」 


モバP「まぁ、そんなところだ。で、お前の相方はどこに行った?」 

比奈「なんでも兵装の整備と点検があるとかで、先に帰っちゃったっスよ。」 


モバP「そっか。なら丁度いいかな。二人から見た望月さんの印象を聞きたいのだが…」 


トレーナー「印象ですか?そうですねぇ…今はダンスのレッスンを中心にやっているのですが、 

   普段から体を使ったお仕事をしているので、体力やバランス感覚は問題ないですね。リズム感はこれから身につけていけば問題ないかと。」 


比奈「んー。どう言えばいいんスかねぇ。うまく言えないんスけど、ためらってるように感じて…」 


モバP「ためらう?なにをだ?」

比奈「いや、だからうまく言えないって言ったじゃないっスか。分からないっスよ。」 


モバP「うーん…なかなか前途多難なようだな。そんな比奈に、いいものを持ってきてやったぞ。」 


比奈「いいもの?」 


モバP「お前が映ってるライブのDVDだ。」テッテレー 


比奈「げっ。なんつーもん持ってくるんスか!恥ずかしいから自分じゃあんまり見たくないんスけど…」 


モバP「誰がお前に見せるために持ってきたと言った。望月さん見せるんだよ。」 


比奈「どういうことっスか?」 

モバP「お前が全力で頑張ってるところを見せれば、なにかが変わるかも知れないと思ってな。」 


比奈「プロデューサー…ちゃんと私たちのこと、考えてくれて…」 


モバP「と、いうのは今思いついただけで、実は他の二人の分は初日に渡してあるんだよなぁ…」 


比奈「えっ、ひどくないですか、それ!」 


モバP「誰かさんが初日の集合時間になっても事務所に来なくて、車で迎えに行ったときに、 
   
   比奈のDVDだけ事務所に忘れてきてしまってなぁ。あの時の遅刻の理由なんだっけ?」 


比奈「……徹夜で…原稿して…寝坊したせいでス…」グサッ 


モバP「まぁ、そういうわけで渡すのが遅くなったが、今からでも有効に使ってくれ。」 

……… 
…… 
… 


比奈(任務娘さんに聞いた話だと、この時間なら望月さんは寮に戻ってるって聞いたけど…) 


比奈「ここっすね。よーし、すいませーん。」コンコン 


望月「ん、だれー。空いてるから勝手に入ってー。」 


比奈「お邪魔しまース。」 


望月「なんだ、荒木さんかぁ。なにか用?」 


比奈「あのー、時間あるっスかねぇ。参考になるかと思って私たちのライブのDVD持ってきたんスけど…」

望月「うーん、まぁいいか。どうせ暇だしねぇ。見せてもらおうかなぁ。」 


比奈「それじゃ、どこで見ましょうか。」 


望月「会議室のでっかいプロジェクター?」 


比奈「いや、大画面はちょっと…」 


望月「?んじゃ食堂のテレビで。」 


比奈「人が集まりそうなところもちょっと…」 


望月「意外とわがままだねぇ。それじゃここは?」 


比奈「この部屋なら問題ないっスけど、再生機器とかあるんスか?」

望月「一応鎮守府で貸出もしてるけど、手続きが面倒だから裏のルートから借りよう。」 


比奈「裏のルート?」 


望月「ちょっと待ってて。すぐ戻るから」 


・・・・・・・・・  
・・・・・・ 
・・・ 

望月「ただいまー」 


比奈「おかえりっス、ってテレビまで持ってきて・・・重かったんじゃ・・・」 


望月「へーき、へーき。いつももっと重いもの身につけてるから。」 


比奈「たくましいっスねぇ。それ、どこから借りてきたんスか?」 


望月「ちょっと知り合いの軽巡のところから。」 


比奈「んじゃ、配線はまかせてもらって・・・ディスクセット・・・再生っと。」 


\ワーワーキャーキャー/ 


比奈(始まったっスか・・・これってこの間のひな祭りの時の・・・) 

望月「へぇ~、すごいね。普段こんなの見ないからちょっと圧倒されそうだよ。」 


比奈「そりゃよかったっス。少しでも参考になればと思って。」 


望月「うん、気に入ったよ。特にこの演出、砲撃を撃った時みたいにズシンと響いてきそうな感じがいいねぇ。」 


比奈「あー、それ拓海さんのステージの時っスね。」 


比奈(あの時はまんまレディース参上!!夜露死苦!!って感じだったからなぁー) 


望月「でも、一番気に入ったのは主役の人だよ。なんかすごいキラキラしてる・・・ 
    
   荒木さんに似てるね。」 

比奈「いやー、恥ずかしながら、それ、私っス。」 


望月「えっ!だって髪の毛ボサボサじゃないし・・・」 


比奈「本番はヘアメイクさんにおまかせしてるので。」 


望月「ジャージじゃないし・・・」 


比奈「流石にこの格好で人前で踊る勇気はないっス。」 


望月「眼鏡も外してるし・・・」 


比奈「友人からはそれを外すなんてとんでもない!って言われてますけどね。」 

望月「それに、画面越しでも感じるくらい雰囲気も違うよ!」 


比奈「んー、それは覚悟を決めて楽しんでるからじゃないっスかねぇ。」 


望月「楽しむ・・・?」 


比奈「そうっス。たしかに人に見られるのは恥ずかしくて怖いと思うときもあるっス。 
   
   でも、私のためにレッスンを一緒にやった仲間のこと 
    
   このステージを準備してくれた人たち 
    
   私たちが精一杯輝けるように考えてくれた人 

   そして見に来てくれて、声援をくれるお客さんのことを思ったら

   恥ずかしいとか言ってられなくて 
  
   全力で頑張って楽しみたいと思う気持ちになるんスよ。ハハハ」 

望月「・・・」 


比奈「なんだか照れくさいっスね。プロデューサーにも、こんなこと言ったことないのに。」 


望月「ねぇ、荒木さん。」 


比奈「ん。なんスか」 


望月「私ね。今回の任務、志願したわけじゃないんだ。」 


比奈「・・・」 


望月「姉妹からの推薦があったんだって提督から教えられたんだ。 

  でもね。その時私、どうして?って思っちゃったんだ。」 

比奈「・・・」 


望月「私なんかより他の姉妹の如月や文月のほうが・・・ 

   いや、私以外の姉妹なら誰でも適任だったんじゃないかって思ってたんだ。」 


比奈「・・・」 


望月「でも、任務だからちゃんとやらなきゃって気持ちもあって、どうしていいか分からなくなったんだよ・・・ 

   ホント、なんで私なんだろうね・・・」 

比奈(この子は、昔の私にちょっと似ている・・。 
     
   自分なんががアイドルなんて無理って言ってた頃の自分に。 

   私の場合は無理だ無理だと言っててもプロデューサーさんに強引に連れ回されて 

   何度もステージに立っては自分には向いていないと思って 

   それでも私の手を引っ張ってくれる人がいて 

   気がついたら今の場所まできていた。) 


比奈「難しく考えることなんてないんスよ。望月さんはステージに上がるのは嫌?」 


望月「嫌ってわけじゃないけど・・・」 

比奈「なら決まりっス。うだうだ考える暇もないくらいに望月さんの手を引っ張って 

   気がついたらステージに立ってる状態にまで仕上げてやるっス。」 

   


   (いつか、プロデューサーが私にしてくれたように・・・) 








望月「あはは、なんだよ、それ・・・」 


比奈「大丈夫っス。二人ならきっと楽しめるっス。」 

望月「もっとおとなしい人だと思ってたけど・・・」 


比奈「こう見えてやるときは意外とやるんスよ。あ、あと一つお願いがあるっス。」 


望月「?」 


比奈「私と友達になって欲しいんスよ。これから一緒に頑張る仲間だから。」 


望月「うん。いいよ。こちらこそよろしくね。」 


比奈「改めてよろしくっス。望月・・・いやもっちー」 


望月「もっちーって・・・私のこと?」 

比奈「いやー、望月さんって堅苦しいんで、あだ名で呼んでみたっス」 


望月「まぁ、いいけど・・・んじゃ私は比奈ってよばせてもらうよー」 


比奈「OKっスよ。ふふふ。」 


比奈(今回の私の役割は、もっちーに素直な気持ちでライブを楽しんでもらうことみたいっスね。 

   まぁ、きっと大丈夫っス。なんとかなるっス。) 


菊月「本日も激戦を潜り抜け、安息の地へと帰還を果たす・・・か」(訳:ただいまー) 


望月「おかえりー」 


菊月「む、客人か・・・」 


比奈「お邪魔してまーす。」

望月「ごめんね、比奈。私のルームメイトちょっと変わってて・・・」 


比奈「あぁ、問題ないっスよ。うちにも似たような人たちがいますから。」 










星輝子「フヒ・・・・・・クシュン・・・」 


神崎蘭子「魔界の瘴気に肉体を犯されしや?」(風邪ですか?) 


輝子「わかんない・・・・・・フヒ」グズッ 

ーアーニャ&響編ー 



モバP(さて、アーニャはうまくやっているかな?) 


ルキトレ「あっ、プロデューサーさん、お疲れ様です」 


モバP「お疲れ様です。あれ?アーニャは?」キョロキョロ 


ルキトレ「アーニャちゃんでしたら、響ちゃんと一緒に食堂に行きましたよ」 


モバP「ちょっと遅かったか。まぁ、いいか。レッスンの調子はどうですか?」 


ルキトレ「アーニャちゃんは問題ないですね。響ちゃんのほうも動きはまだ、ぎこちないですけど 

   あのクールな雰囲気と、精一杯頑張ってるって無邪気さがこっちにも伝わってきて、とてもいいと思いますよ。」 


モバP「そうですか。今のところ問題はなさそうですね。」 


モバP(あとは、どこまでお互いが打ち解けられるかにかかっていそうだな・・・) 






・・・・・・・・・ 
・・・・・・  
・・・ 

ー食堂ー 


アーニャ&響「いただきます。」 


アーニャ(今日のお昼は、竜田揚げ定食、です) 


アーニャ(ごはん、みそ汁、竜田揚げ、サラダ、小鉢。)モグモグ 


アーニャ(もやしとカイワレのみそ汁。珍しいですね。)ズズー 


響「どう、かな?」 


アーニャ「おいしい、ですよ。」 


響「そう、口に合ったようで安心したよ」モグモグ 

アーニャ(この数日で響のこと、少しずつわかってきました。) 


アーニャ(口数は、あまり多くはありません。言葉も少なく、要点だけを伝えることもあります。) 


アーニャ(でも、こちらの話は、最後まで、じっと聞いてくれます。) 


アーニャ(見た目相応に、お絵描きしたり、一緒に遊んでいるときは、とても楽しそうです。) 


アーニャ(ただ、ひとつ気になるのは・・・) 


アーニャ(時々遠くを見つめているときがあります。) 


アーニャ(一体、何を見ているのでしょうか・・・) 

?「ごきげんよう、なのです。」 


響「やぁ、暁も今から食事かい?」 


暁「そうよ。私もご一緒してよろしいかしら、えっと・・・アナスタシア…さん?」 


アーニャ「ダー。もちろんです。食事は、みんなで食べたほうが、おいしいですから。」 


響「紹介するよ、姉の暁だよ。」 


暁「暁よ。一人前のレディーとして扱ってよね!」 


アーニャ「アナスタシア。アーニャと、呼んでください。」 


暁「それじゃあアーニャ。響はどう?うまくやってる?」 

響「目の前に本人がいるんだから、こちらに聞けばいいじゃないか」 


暁「駄目よ。こういう時は第三者の意見を聞いて判断するのが大人なのよ。」 


アーニャ「響は、とても頑張っています。響となら、きっといいLIVEになる、と思ってます。」 


響「なんだか恥ずかしいな///」 


暁「当然よ。暁の妹なんだから!」フフーン 


アーニャ(暁、自分のことのように嬉しそう、です。響のこと、大切に思っているのですね。) 

響「おっと、そうだ。アーニャ。」 


アーニャ「シトー?」 


響「今日は何時まで鎮守府にいられるんだい?」 


アーニャ「アー、ごめんなさい。このあと、お仕事入ってます。」 


響「そう。それは残念だ・・・」 


アーニャ「また今度、遊びましょう。そのときは、お泊り、いいですか?」 


響「もちろん、楽しみにしているよ。」 



・・・・・・・・・  
・・・・・・  
・・・


ー次の日 執務室前ー 


アーニャ「響、ここは?」 


響「司令官の仕事部屋だよ。」 


響「ちょっと仕事を頼まれていてね。付き合って欲しいんだ。」 


アーニャ「構いませんが・・・私が入っても、いいのでしょうか?」 


響「許可はとってあるよ。」 



コンコン    ガチャ 


アーニャ「失礼します・・・」ペコリ

提督「ようこそ。アナスタシアさん。これといったおもてなしも出来ませんが、ゆっくりしていって下さい。」 


響「今、お茶を入れるよ。座って。」 


アーニャ「あ、はい。」キョロキョロ 


アーニャ(‥・大きな机の上にたくさんの書類・・・掛け軸に・・・ソファーにテーブル・・・) 


アーニャ(社長室と応接室がくっついたような部屋ですね・・・) 


響「はい、どうぞ。」カチャ 


アーニャ「スパスィーバ。ありがとう。」

提督「響、早速で悪いんだが、この書類を届けてくれないか?今日の遠征の結果報告書だ。」 


響「了解、行ってくるよ。」トコトコ 


アーニャ(あ・・・行ってしまいました。) 


提督「・・・」カキカキ 


アーニャ「・・・」 


アーニャ(気まずい・・・ですね・・・) 


アーニャ(そうだ。困ったことがあったら、使うように渡されたもの、ありましたね。)ゴソゴソ 

アーニャ(小さな箱と・・・手紙。中身は・・・メガネ?) 


アーニャ(手紙の方は・・・) 


ーアーニャさんへー 

今回のお仕事、ご一緒しているお二人にあって、アーニャさんにはないものがあり、不安になっているかもしれません。 

でも、ご安心ください。勝手ながら私の方で用意させていただきました。 

パートナーの艦娘さんの分も入れておきましたので、伊達メガネではありますが、遠慮せずに使ってください。 

ー上条春菜よりー 


アーニャ(・・・今は役に立ちそうにありませんね・・・)

提督「アナスタシアさん。」カキカキ 


アーニャ「はい。」 


提督「響はどうでしょうか。なにかご迷惑をおかけしてはいないでしょうか?」 


アーニャ「いえ、そのようなことは、ないです。とてもいい子だと、思います。」 


提督「それはよかった。少々心配だったものでしてね。」 


提督「・・・少し話があります。」 


アーニャ「話・・・ですか?」 


提督「響のことです。」 

提督「あの娘はおそらく、自分から話すことはないと思うので、私の方から伝えておきたいことがあります。」 


提督「艦娘には、かつての大戦の記憶がある。という話を聞いたことはありますか?」 


アーニャ「いえ、ありません。」 


提督「まぁ、そうでしょうね。噂話程度にしか知られていないことですから。」 


提督「あの娘は大戦で姉妹の中、唯一生き残った船でしてね。」 


提督「その後、ロシアへ賠償艦と引き渡されました。」 

提督「祖国を離れ、一人異国の地で任務に従事していました。」 


提督「そのせいかは分かりませんが、どこか他の人と距離を作るような態度をとる時もあります。」 


提督「まるで人と深く関わることを怖がっているように私には見えます。」 


提督「いつか周りの人達も、昔のように離れ離れになるのでは、と・・・」 


アーニャ「・・・」 


アーニャ(時々遠くを見つめているのは、そのせいでしょうか・・・?)

提督「あなたには懐いてくれているようで安心してはいるのですが、 

   私から見た響の印象も教えておきたかったのです。」 


アーニャ「・・・私は、響とは、まだ数日しか一緒にいません。」 


アーニャ「でも、分かることも、たくさんあります。」 


アーニャ「とても頑張り屋で、優しくて、遊んでいる時は楽しそうに微笑みます。」

アーニャ「その姿を見て、響となら、どんなことでも大丈夫だ、と感じました。」 


アーニャ「私は、そんな響のことを、“信頼できる”と、思っております・・・」 


提督「・・・・・・・・・」 


提督「ふ、ハハハハっ。」 


アーニャ「?なにか変なこと、言いましたか?」 


提督「いや、失礼。そうではないんですよ。来てくれたのがあなたで、本当によかったと思っただけでして。」 


提督「これからも響のことを、よろしくお願いします。」 


・・・・・・・・・ 
・・・・・・ 
・・・

ー駆逐艦寮 暁型の部屋ー 


アーニャ「本日は・・・お世話に、なります。」 


雷「待っていたわ!ようこそ、アーニャさん!」 


電「ようこそ、なのです」 


雷「さぁ、遠慮しないで入って入って。」グィ 


電「雷ちゃん、そんなに腕を引っ張っちゃ駄目だよ・・・」 


響「ごめんね。4人部屋だから騒がしくて。」 


アーニャ「ニェート・・・賑やかなのは、好きですよ。」 

・・・・・・・・・ 
・・・・・ 
・・・ 


暁「さ、もうすぐ就寝時間よ。みんな、寝なさい!」 


電「お布団をくっつけるのです。」 


暁「アーニャも一緒に寝るわよ。」 


雷「ちょっと狭くないかしら?」 


アーニャ「お布団で、川の字・・・初めてです。」 


響「川というより州の字だけどね。」 


暁「アーニャは真ん中。響と雷の間ね。」 

雷「ほら、詰めないとみんな入らないじゃない!」ギュウギュウ 


電「な、なのです。」ギュー 


暁「はーい、電気消すわよー」 


響「おやすみ、みんな。」 


アーニャ「スパコイナイ ノーチ 。おやすみなさい。」 

ー1時間後ー 

暁「zzz・・・」 


雷「zzz・・・」 


電「zzz・・・」 


アーニャ「・・・」 


アーニャ「響、起きて、いますか?」 


響「うん。」 


アーニャ「今日、提督さんに、響の話、聞きました。」 


響「うん。」 


アーニャ「・・・響。私は、ズヴェズダ・・・星を見ることが、好きです。」 


響「星か、私も好きだな。」 

アーニャ「キラキラ輝いて、綺麗で、離れて暮らしているパパとママも、同じもの見ている、と思ってます。」 


響「うん。」 


アーニャ「離れていても、同じ気持ち、なれると思ってます。」 


アーニャ「だから、響。星を見るとき、少しでもいいので、私のこと、思い出してもらえると嬉しいです。」 


アーニャ「そうすれば、一人でも・・・一人じゃない。ンー、うまく言葉、出来ないですね。」 


響「・・・・・・・・・」 


響「ううん。伝わったよ。」 


響「あったかいね。アーニャは・・・」ギュッ 


アーニャ「響も、ですよ。」ギュッ

とりあえずここまでです。

ーマキノ&不知火編ー 



ベテトレ「うーむ・・・」 


モバP「お疲れ様です。」 


ベテトレ「あぁ、プロデューサーか・・・」 


モバP「どうしましたか?難しそうな顔をして。」 


ベテトレ「残りのレッスンの日数も少なくなってきたのだが、問題が起きてな・・・」 


モバP「なにかあったんですか?」 


ベテトレ「不知火なんだが、ダンスも歌も完璧に近い仕上がりにはなっているんだ。人に見せても大丈夫なレベルにまでは。 

   ただ、機械的な、無機質な感じがどうにも抜けなくてな・・・あれでは、見た人間の心までは動かせないと思うぞ。」 


モバP「それはまた・・・難しい問題ですね。」 


モバP(さて、ここからが正念場というわけか・・・頼んだぞ、マキノ。)

・・・・・・・・・ 
・・・・・・ 
・・・ 


ー中庭ー 


マキノ「不知火、ちょっといいかしら?」 


不知火「なんでしょうか。」 


マキノ「レッスンのことで話がしたくてね。」 


不知火「不知火になにか落ち度でも?」 


マキノ「いいえ、あなたは完璧よ。私にとって最高のパートナーだわ。」 


不知火「では、話とは?」 


マキノ「教えられたことは、全て完璧にこなせている。 

    あなたなら今すぐステージに立てと言われても、問題ないでしょうね。」 

マキノ「でもね。今のあなたには足りないものがある、と私は感じているわ。」 


不知火「なんでしょうか。」 


マキノ「残念ながら、それは私からは教えてあげることが出来ないものなの。」 


マキノ「どんなに情報を集めて、観客の需要に合わせたとしても、アイドルにはそれ以上のものが求められる。 

    アイドル一人一人が持っている、魅力とでも言うべきかしらね。 

    時には、私が予想もしていなかったことが正解、なんてこともあったわ。」 


不知火「予想できないのなら、考えるだけ無駄ではないですか。」 


マキノ「そうね。でも、あなたには知っておいて欲しかったの。」 







?「あ、おったおった。おーい。」 


?「あ、待ってよー。」

マキノ「あら、黒潮に舞風。こんにちは。」 


舞風「こんにちはっ。マキノさん。」 


黒潮「もうかりまっか~、なんてな。あはは。」 


マキノ「二人共なにか、私たちに用事でも?」 


黒潮「レッスン終わってるんなら、お茶でもどうかな~って誘いに来たんや。」 


舞風「私は不知火と踊りに~♪ほら、ほらっ♪」グイグイ 


不知火「舞風・・・あなたのは社交ダンスで、レッスンでやってる踊りとは違うと何度言えば・・・」 


マキノ「あら?いいじゃない。なんなら本番でも社交ダンス風にアレンジしてもらう?」

不知火「今から変更ですか?」 


マキノ「出来ない?」 


不知火「・・・いえ、それが命令であれば、やります。」 


黒潮「あはは~。舞風も踊ってくれる人が増えて嬉しいんやろな~。」 


不知火「まったく・・・少しだけですからね。」 

・・・・・・・・・ 
・・・・・・ 
・・・ 

モバP「やっと見つけた。」ハァハァ 


マキノ「どうしたの?プロデューサー、そんなに息を切らせて。」 


モバP「お前のことを探していたんだよ。」 


モバP「ベテトレさんが悩んでいたんでな。お前の意見も聞いておきたいと思って。」 


マキノ「問題ないわ。順調よ。」 


モバP「俺に手伝えることはあるか?」 


マキノ「ないわ。」 


マキノ「他の二人もうまくやってるんでしょう?なら、私のことも信用して欲しいわ。」 

マキノ「それにね。ベテトレさんには悪いけど悩むことなんてなにもないと私は思うわ。」 


モバP「えっ?」 


マキノ「だって、不知火は私のデータ以上に魅力的なパートナーだもの。」 


マキノ「あとは不知火自身がほんの少し、自分の魅力に気づけばいいだけよ。」 


モバP「・・・おまえがそう言うなら、そうなんだろうな。」 


モバP「すまん。余計なことを聞いたな。」 


マキノ「気にしないで。心配してくれたんでしょ?」 


・・・・・・・・・ 
・・・・・・ 
・・・

ー大浴場ー 



マキノ「ふぅ。大きなお風呂は開放感と手足を伸ばせるところが合理的ね。」チャポン 


不知火「なぜ、不知火まで一緒に入っているのでしょうか。」 


マキノ「裸の付き合いは、より親しくなれるというデータが出ているわ。」 


マキノ「ねぇ、不知火。」 


不知火「なんでしょうか。」 


マキノ「あなたは何のためにステージに立つの?」 


不知火「命令だからです。」 


マキノ「そうね。あなたならそう言うと思ったわ。」 

不知火「それがなにか?」 


マキノ「いえ、そこにあなたの意思があるのかを聞きたくてね。」 


不知火「・・・命令を遂行したいと思うのは、私の意志です。」 


マキノ「・・・・・・少しだけ私の話を聞いて欲しいの。」 


マキノ「私が今まで集めたあなたの情報のことを。」 


マキノ「不知火は真面目で、冷静で、規律を重んじる軍人を絵に書いたような人。 

    でも、負けず嫌いで、すぐムキになって、多少のわがままなら受け入れてくれる可愛らしい一面もある人。」 


不知火「・・・後半の部分は否定させてもらいます。」

マキノ「今日だってそうよ。舞風には付き合ってあげたり、私が出来ないのか、と聞いたとき出来ると即答したじゃない。」 


不知火「・・・」 


マキノ「そして、レッスンをやり遂げた後や、他の姉妹に振り回されて困っている様子の後に、 

    とても静かで、とても優しい目をしているのよ。」 


不知火「・・・不知火のこと、よく見ているのですね。」 


マキノ「気になった対象の情報は隅々まで知りたいのが私なのよ。」 


マキノ「私は、そんなあなたが素晴らしく魅力的に感じるわ。」 


不知火「・・・観客の前でもそのように振舞えと?」 


マキノ「いいえ。私が、そんな魅力をあなたに対して感じているということを知ってもらいたかっただけよ。」

マキノ「あなたの魅力は、確かに他の人に伝わるものだということを。」 


マキノ「足りないあなたでも、理解してくれる人がいるということを。」 


マキノ「だから無理をして変わる必要はないって言いたかったの。」 


不知火「・・・・・・」 


マキノ「だけどね。もし、今日一日、私の言葉を聞いて、今のままだと駄目だと感じたのなら、 

    ほんの少しでいいから、ステージの上で楽しむってことも考えて欲しいの。」 


マキノ「そうすれば、あなたの良さはもっと多くの人にも伝わるわ。」 

不知火「・・・・・・善処します。」 


マキノ「あなたなら大丈夫よ。」 


不知火「どうしてですか?」 


マキノ「あら、忘れたの?あなたは私の最高のパートナーだ、って言ったことを。」 




/お風呂直行~どぼーん。\     /あ、まつでち。\        /いくの~\ 


マキノ「騒がしくなってきたわね。そろそろ上がりましょうか。」 

ー本番まで残り5日ー 


マストレ「お前ら!立て!立つんだ!!座り込む暇があったらストレッチでもしてろ!さっさと立て!!」バシーン 

マストレ「動けない仲間がいたら背負ってでも連れて行け!CGプロは仲間を決して見捨てない!!」バシーン 


望月「はぁ・・・はぁ・・・なんなのあの人・・・」 


比奈「はぁ・・・CGプロ名物・・・地獄の・・・はぁ・・・マスタートレーナーさん・・・っス」 


アーニャ「大丈夫、ですか・・・はぁ・・・響・・・」 


響「うん・・・なんとかね・・・はぁ。」 

不知火「流石にこれは・・・はぁ、はぁ。」 


マキノ「いつも・・・私の情報の・・・遥か上を・・・行くわね、はぁ・・・」 






マストレ「よーし!今日のレッスンここまで!各自柔軟後、私の用意したスポーツドリンクを飲むこと!」 


望月「あーやっと、終わったぁー」 


比奈「あのー、レッスン中ず~~~~っと気になっていたことがあるんスけど・・・」 


アーニャ&響「?」

比奈「なんで二人共メガネなんスか?」 


アーニャ「ダー。春菜からの、差し入れ、です。」クィッ 


響「似合うかな。」クイッ 


アーニャ「あ、不知火の分も、預かってます。どうぞ。」 


比奈「こんなところにまでメガネの侵食が・・・」 


不知火「意味があるとは思えませんが・・・」 


マキノ「全員のキャラを統一するという点では、意味があるわね。」 


望月「横須賀鎮守府第一メガネ艦隊ってところかな。」 


比奈「まぁ、本番ではマキノさん以外、外すんですけどね。」

ー残り2日ー 

マストレ「お前達、これまでよく頑張った!プロデューサーと相談した結果、明日一日はオフとする!しっかりと体を休めておけ!」 


六人「はい!」 





比奈「んー、お休みなのはうれしいんスけど、どうしましょうか。」 


マキノ「どうせなら全員揃って出来ることがあれば、効率的でいいのだけど。」 


アーニャ「パーティー、とか、いかがです?」 


望月「う~ん・・・それじゃピクニックとか?」

比奈「あんまり遠出は出来ないんで、近場にいい場所ないっスかねぇ。」 


響「心当たりがあるよ。この近くに小高い丘があるんだけど、そこがオススメかな。」 


不知火「前に司令官が行ったことがあるという?」 
望月「前に千歳が行ったっていう?」 


不知火&望月「ん?」 


響「おそらく二人が聞いた、そこのことで合っていると思うよ。」 


比奈「お天気次第っスけど、いいんじゃないスか。それで。」 


マキノ「私の情報だと明日の降水確率は20%ね。」 


不知火「お弁当はこちらで用意しておきます。」 


アーニャ「楽しみ、です。」 

ー次の日ー 





比奈「えー、本日は晴天に恵まれ、絶好のピクニック日和となりました。」 


比奈「この場にいるCGプロの面子で、自分が最年長ということで、僭越ながら音頭を取らせてもらうっス。」 


望月「いいぞー」 


響「はらしょー」 


比奈「これまでのレッスン、本当にお疲れ様でした。明日はいよいよ本番っス。」 

比奈「やるだけのことはやったと思うので、必ずやいいライブになると信じています。」 


マキノ「当然よ。」 


不知火「いつでも行けます。」 


比奈「皆様お手元のグラスにお飲物をご用意ください。」 


アーニャ「ダー。」 


望月「比奈はお酒?」 


比奈「あ、いや。みんなと同じ、ジュースでいいっスよ。」

比奈「それでは、ライブの成功を祈って・・・乾杯!」 


六人「かんぱーい!」カチャン 


比奈「重箱にバスケット・・・たくさんあるっスね。」 


望月「私たちも料理を作るの手伝ったんだー。」 


不知火「先輩方に教えてもらいながら、ですけどね。」 


響「アーニャ。はい、これ」 


アーニャ「これは・・・ピロシキ、ですか。」

響「うん。作ってみたんだ。」 


アーニャ「スパシーバ。とても、うれしいです、響。」 


マキノ「今日の記録を写真にして残しておこうかしら。」 


比奈「いいっスねぇ、それ。」 


望月「ほら、みんな集まってー。」 


響「私は、アーニャの前がいいな。」 

アーニャ「どうぞ、来て、ください。」 


不知火「さぁ、マキノもこちらへ」 


マキノ「ちょっと待って。今、タイマーを・・・よし。」 


比奈「みんなー準備はいいっスかー。」 


マキノ「3・・・2・・・1・・・」 



カシャ 


・・・・・・・・・ 
・・・・・・ 
・・・

ーCGプロ&横須賀鎮守部合同ライブショー 屋外特設ステージー 


霧島「ご来場の皆様、お待たせしました。これよりCGプロ、横須賀鎮守府合同ライブショーを開演させていただきます。」 


霧島「司会は私、金剛型四番艦 霧島と、」 


川島瑞樹「CGプロ所属川島 瑞樹でお送りします。」 


霧島「ただいまオープニングを担当したのは横須賀艦娘吹奏楽団。」 


瑞樹「曲はお願い!シンデレラ 吹奏楽アレンジverでお送りしました。」 


瑞樹「艦娘の皆さん、お忙しい任務の合間に練習をしたと聞きますが。」 

霧島「そうですね。なかなか全員揃って練習する機会がなかったので、苦労したと聞いております。」 


霧島「今回のライブ、予想以上に反響が大きかったようでして、当初大本営が想定していた以上の、ライブに関する電話やメールがあったそうです。」 


霧島「うれしい誤算、というやつですね。」 


瑞樹「こちらの屋外ステージでも、より多くのお客様に聞いてもらえるよう、急遽、追加で音響資材を用意させていただいたわ。」 


霧島「さて、舞台の準備が整うまで、本日の主役について紹介をさせていただきます。」 

瑞樹「まずは荒木 比奈&睦月型駆逐艦11番艦 望月により結成されたユニット“十五夜の雛祭り”」 


霧島「次にアナスタシア&暁型駆逐艦二番艦 響のユニット“海上のСириус (シリウス) ”」 


瑞樹「最後は八神マキノ&陽炎型駆逐艦二番艦 不知火のユニット“シークレットミラージュ”の順でお送りさせていただきます。」 


霧島「ユニット名についてですが、誰が考えたのか、という問には『秘密』としか返答がありませんでした。」 


瑞樹「私の同僚からは『海に関わってる人たちだから、もっと蒼を取り入れるべき』などの意見もありましたね。」 


霧島「ご来場の皆さんには今しばらく、私たちのトークで場を繋ぐことをお許しいただきたいです。」 

ー特設 控え室ー 



比奈「いよいよっスね。」 


比奈「今回の衣装は、着物の生地で作られたドレスっスかー。」 


望月「ねぇ、比奈。変じゃないかな。ねぇ。」 


比奈「ばっちしっスよ。お姫様みたいに可愛いっス。」 


望月「うぁー、緊張してきたー。」 


比奈「なら、手をつないで行くっス。そういう約束だったから。」 


望月「う、うん」ギュッ 

響「どう、かな?」 


アーニャ「よく、似合ってますよ、響。」 


アーニャ「雪と、星の妖精・・・それが、今の私たち、です。」 


響「白い衣装は・・・うん、嫌いじゃないな。」 


アーニャ「響・・・大丈夫、ですか?」 


響「うん。私は、私のことを“信頼して”くれる人の期待には、必ず答えてみせるから。」 

不知火「・・・・・・」 


マキノ「どうしたの?緊張してる?」 


不知火「いえ、イメージトレーニングをしていただけです。」 


マキノ「そう。それは安心したわ。」 


マキノ「ねぇ、不知火。伝えておきたいことがあるの。」 


不知火「なんでしょうか?」 


マキノ「あなたに最初に会った時、一目見てあなたのことが気になったの。」 

マキノ「不知火のことをもっと知りたいと思ったし、私が普段ステージの上で感じていることを、あなたにも知ってもらいたいと思ったの。」 


マキノ「情報の共有化ってやつね。」 


不知火「・・・・・・・・・」 


マキノ「今日、このステージであなたはどんなことを感じるのでしょうね。終わったら教えて欲しいわ。」 


不知火「・・・分かりました。考慮しておきます」フッ 



・・・・・・・・・ 
・・・・・・ 
・・・

モバP「今回、俺の出番はほとんどなかったですね。アイドル達に任せっぱなしで。」 


ちひろ「給 料 泥 棒。」 


モバP「い、いや、あの三人のこと以外は普通に仕事していたんで・・・」 


ちひろ「冗談ですよ。ちゃんと知ってますから。私がそんなひどいこと言う訳ないじゃないですか。」 


モバP「心臓に悪いんでやめてもらえますか・・・」 


・・・・・・・・・ 
・・・・・・ 
・・・

ー次の日ー 


モバP(鎮守府に来るのも今日が最後となった。) 


モバP(ライブの結果は、大成功といってもいいほどの熱狂ぶりだった。) 


モバP(今、俺の目の前では、アイドルと艦娘たちが最後の別れの場面を迎えようとしている。) 

比奈「これで、お別れっスね。」 


望月「うん・・・」 


比奈「今回の事、漫画にしてみようと思うっスよ。もちろん主役はもっちーで。」 


望月「・・・あのね、比奈。」 


比奈「なんスか?」 


望月「ずっと・・・ずっと言いたかったことがあるの・・・」 


望月「本当は、もっと早く言いたかったんだけど・・・ずっと言えなくて・・・」 


望月「楽しかった。比奈と一緒にいられて本当に楽しかったよ」ポロポロ 


比奈「泣かないで欲しいっスよ。ちゃんと伝わってたから」ナデナデ 


比奈「私も楽しかったっス。ありがとう。」ナデナデ 

アーニャ「お別れ・・・ですね。」 


響「うん・・・」 


響「ねぇ、アーニャ。」 


アーニャ「なんですか?」 


響「今度、一緒に星を見に行こう。」 


アーニャ「いいですね。楽しみに、待っています。」 


響「うん。約束しよう。」 


アーニャ「アビシャーニエ。約束、ですよ。」

不知火「お世話になりました。」 


マキノ「こちらこそ。いいデータが集まったわ。」 


不知火「忘れません。あなたに会えたことは。」 


マキノ「これからの活躍に期待してるわ。覚えておいて。あなたのことなんて調べればすぐに分かるんだから。」 


不知火「・・・ふふっ。その言葉、心に留めておきます。」 

モバP(こうして長かったようで、あっという間に過ぎていった彼女たちの日々は幕を閉じた。) 


モバP(今回の出来事が、彼女たちにとってかけがえのないものになってくていれば、これほど嬉しいことはない。) 


モバP(自分とは違う世界の人間との出会いなんて、本当にちょっとしたきっかけがあれば起こるのだろうから。) 





おわり

エピローグ 


三人のアイドルと三人の艦娘の元に、ある写真が送られてきました。 



写真には楽しそうに写る六人の姿がありました。 

比奈と望月は楽しそうに笑いながら腕を組み、 

アーニャは響を抱き抱えるように、響は少し照れながらも嬉しそうな顔で、 

不知火は澄ました顔でしたが、その口元には確かに笑があり、 

その様子を横から見るマキノは苦笑した顔を浮かべていました。 



きっと、彼女たちの思い出の一ページになる、 

大切な写真であることを、切に願います。 

おまけ 


ちひろ「もしもし・・・はい、先日はお世話に・・・はい。それで・・・ 

    お話していた、そちらでのスタミナドリンクとエナジードリンク販売の件は・・・はい・・・えっ! 

    アイスと羊羹があるからいらない!・・・はい・・・分かりました・・・はい、失礼します」ガチャ 

あとがき 

ライブシーンは、どう書けばいいのかわからず、丸々カットということにさせてもらいました。 

ネタを思いついた当初は、こんなに長くなると思ってなかったので、 

途中文章がおかしい点や、矛盾してる点があるかもしれませんがご了承ください。 

他に思いついていたペアは 

音葉&時雨 初雪&雪美 くるみ&潮 などもありました。 

最後まで読んでくださった方、途中レスをしてくれた方、画像を貼ってくださった方には 

感謝申し上げます。 

では依頼を出してきます。