レムリナ「…わかりましたかスレイン?」 

スレイン「…はい」 

スレイン(やっぱり何かに似てる…でも、何かが思いだせない) 

レムリナ「どうしましたか?」 

スレイン「いえ、何でもありません」 

スレイン(何だろう…)じーっ 

レムリナ(スレインったら、ずーっと私の方を見つめてどうしたのかしら?) 

レムリナ(はっ!?まさかお姉さまから私に鞍替え!?) 

スレイン(もうすぐ思い出せそうなんだけどな…)じーっ 

レムリナ(まだ私を見つめてる…これは確定だわ!私が美しいからってお姉さまから乗り換えるなんて下賤な地球人ね///)

レムリナ(私ったら、何ドキドキしてるのかしら…アセイラムお姉さまのものは全て奪うって決めたでしょ?だから、これも計画どおりじゃない) 

レムリナ(でも、いざそうなると心の準備が…)ドキドキ 

スレイン(うーん…)じーっ 

レムリナ(やだスレインったら///まだ私の事を見てる…もしかしてまたキスして欲しいのかしら///) 

スレイン(あー!そうだ!ニンニクだ!) 

アセイラム(レムリナ)「ヴァース帝国の栄光のために戦いましょう!」 

「おー!!!」 

「姫様ばんざーい!!」 

ザーツバルム「お疲れ様です姫殿下」 

スレイン「お疲れ様です」 

アセイラム(レムリナ)「単純なものって民衆って…」 

レムリナはホログラムを解除した 

レムリナ「それにしても別の人間のふりをするなんてやっぱり慣れないわ」 

スレイン(アセイラム姫からニンニク姫に!!)ブフーっ!! 

レムリナ「むっ。何かしらスレイン?」 

スレイン「い、いえ、何でもありません」 

スレイン(駄目だ、あれからレムリナ姫の頭がニンニクにしか見えない) 

ザーツバルム「どうしたスレイン?」 

スレイン「た、たいした事ではありません!」 

スレイン(駄目だ!レムリナ姫の頭を見ると笑いそうになってしまう)ぷるぷるぷる 

ザーツバルム「スレインは何を笑っていたんだろうか?もしかして私!?」 

ザーツバルム「まさか、髪型のセットに失敗していたのかな?それともご飯粒でも顔についていたとか?」アタフタ 

ザーツバルム「鏡を見たが、特に変なとこは何もない」 

ザーツバルム(こうなると気になって仕方がないぞ) 

ザーツバルム「まさか私自身の顔が笑えるとか!?」 

ザーツバルム(どうしよう?これからスレインを養子にしようと思っていたのに、顔の事でお断りされたらシャレにならないぞ!たとえ、承諾してくれても顔を会わすたびに笑われでもしたら父の威厳が…) 

スレイン「ザーツバルム伯爵、次の戦いの事で相談が」 

ザーツバルム「ス、スレイン!」 

スレイン「どうかしましたか?」 

ザーツバルム「いや、何もない。相談とは何だ?」 

スレイン「この作戦についてなんですが…」 

ザーツバルム「ふむふむ…」 

ザーツバルム(今は笑っておらぬ。私の事ではないのか?) 

スレイン「なるほど、ありがとうございました!」 

ザーツバルム「何かあったら我にいつでも聞くが良い。あっ、そういえば今日の夕ご飯はギョーザらしいぞ」 

スレイン(ギョーザ→ニンニク→レムリナ姫…) 

スレイン「ぶっ!!!」 

ザーツバルム(吹き出した!今、私の顔を見て吹きよった!やっぱり私が原因なんだ!!) 

ザーツバルム「今のは何んだスレイン?」 

スレイン「…す、すみません。思い出し笑いをしてしまって」 

ザーツバルム(私の事で思い出し笑いか!?) 

ザーツバルム「何か我の顔でおかしなところとかあるのか?」 

スレイン「え?」 

ザーツバルム「スレインが言うなら、直す努力はする」 

スレイン「そんな滅相もございません。それじゃあ、失礼します。今日のギョーザ楽しみですね…ぶふっww」 

ザーツバルム「待たれよスレイン!!!!」 

ザーツバルム「何―!?レムリナ姫の頭がニンニクに似ているせいで笑っておったのか?」 

スレイン「…はい。王族に対して大変失礼な事をしてしまいました」 

ザーツバルム「…まあ、良かろう。これからは気をつけるがいい(私の事じゃなくて良かったー!)」 

スレイン「はい!」 

ザーツバルム(レムリナ姫の頭がニンニクか…言われてみるとそうかもしれないな) 

エデルリッゾ「手を合わせて…」 

レムリナ・ザーツバルム・スレイン・ハークライト「いただきます!!!!」 

レムリナ「今日のディナーはとても良い匂いがしますね」 

ザーツバルム(こうして見ると本当にニンニク頭だな…)ぷぷっ 

スレイン(止めて下さいよ伯爵w僕も我慢してるんですから…)プルプル 

ザーツバルム(すまない、ついな…) 

レムリナ「このギョーザという地球のお料理は美味しいですわね」 

エデルリッゾ「本当ですね!」 

ザーツバルム(ニンニクがニンニクを食べておるぞww)ヒソヒソ 

スレイン「くっwwwwwww」 

レムリナ「むっ!何か言いたい事があるのですか、ザーツバルム伯爵にスレイン?」 

ザーツバルム「い、いえ。何でもありません!スレインもそうであろう?」 

スレイン「は、はい!姫様を笑う何てことは一切ありえません!」 

レムリナ「…ならいいのです」 

レムリナ「ところでエデルリッゾ、このギョーザという料理にはどんな食物が使われているのですか?」 

エデルリッゾ「えーとですね…」 

ザーツバルム(姫様の頭についてるものが入っておりますw)ヒソヒソ 

スレイン「ぶほっ!」 

レムリナ「…やはり私に何か言いたい事があるのですか二人とも?」 

ザーツバルム・スレイン「い、いえ!何でもありません!」 

レムリナ「さっき私を見て笑っていたでしょ?」 

ザーツバルム・スレイン「た、ただの思い出し笑いです!!」 

レムリナ「嘘おっしゃい!本当の事を言いなさい!」 

ザーツバルム・スレイン「何でもありません!(本当の事なんて言えるわけないよな…)」 

レムリナ「…」 

次の日 

エデルリッゾ「大変です!」 

スレイン「どうしたんですかエデルリッゾさん?」 

エデルリッゾ「レムリナ姫様が部屋に引きこもって、出てきてくれないのです!」 

スレイン「何だって!?」 

ザーツバルム「レムリナ姫殿下!どうかお部屋から出てきて下さい!」ドンドン 

レムリナ「嫌です!もうあんな屈辱はコリゴリだわ!!」 

スレイン「どうしたんですかレムリナ姫様!?」 

レムリナ「スレインもザーツバルムも私を嘲笑っていたんでしょう!私に下賤な血が流れているから?それとも私とお姉さまを比べて笑っていたの?」 

ザーツバルム・スレイン(あなたの頭がニンニクに似ているからです) 

レムリナ「みんな大っ嫌い!!火星の事もアルドノアの事もお姉さまの身代りの事も何もかも、もう知らない!!」 

ザーツバルム「どうしようかスレイン?」 

スレイン「こうなったら正直に話すしかありません」 

ザーツバルム「え!?」 

スレイン「開けて下さいレムリナ姫様。全て、正直にお話しします」 

ガチャッ 

レムリナ「…」 

スレイン(泣いていたのか…この人も色んなしがらみに縛られ、たくさんの事に傷ついていたんだ…) 

スレイン(たとえニンニクに似てるからといって笑っていいわけではなかった…) 

スレイン「この図鑑のこのページを見て下さい、レムリナ姫」 

レムリナ「え?」 

ザーツバルム(おいおい大丈夫なんだろうな、スレイン) 

スレイン「このニンニクという野菜、何かに似てるとは思いませんか?」 

レムリナ「…まさか!私の髪型!?」 

スレイン「そうです」 

レムリナ「まさか、私とこの野菜を比較して笑っていたの!?」 

スレイン「…はい、そのとおりです」 

レムリナ(良かった…私とお姉さまを比べたり、母の出自の事で笑ってたんじゃなくて…) 

レムリナ「いえ、待って!たとえ、そうでも野菜と私を比べて笑うとは何たる無礼!」 

ザーツバルム(やばい!やばいぞスレイン!) 

スレイン「確かにあなたの言うとおりです。申し訳ございませんでした!しかし、僕達はレムリナ姫を嘲笑っていたのではありません」 

ザーツバルム・レムリナ「え!?」 

スレイン「このニンニクは地球では食べると力の湧く食べ物として知られています。つまり生命の象徴!そして、レムリナ姫殿下!」 

レムリナ「は、はい!」 

スレイン「あなたがニンニクと似ているという事はあなたも生命の象徴であるという事!火星を背負うあなたが生命の象徴であるという事はなんと喜ばしい事だろうと、僕とザーツバルム伯爵は微笑んでいたのです!」 

スレイン「ですよね、ザーツバルム伯爵?」 

ザーツバルム「え!?…は、はい!スレインの言うとおりであられます」 

レムリナ「…」 

ザーツバルム(こんなので納得するわけないだろ…) 

レムリナ「まあ、そうだったの!」ニッコリ 

ザーツバルム(ちょろ!!) 

レムリナ「私が生命の象徴ですか…わかりました。私もこの頭に負けないよう一層努力に励む事にします!」 

スレイン「はい!僕達も生命の象徴たるあなた様を支えるしもべとして身を粉にして働く所存です」 

レムリナ(私が生命の象徴か…つまりゆくゆくは私とスレインが結ばれて生命が…いやん///) 

ザーツバルム(こんなふうにさせといて、本命は姉の方なのだから罪な男よのスレイン…) 

ハークライト「流石ですスレイン様。感服いたしました」 

スレイン「ふー、なんとか場を収める事ができた」 

エデルリッゾ「お疲れ様です」 

スレイン「エデルリッゾさんもお疲れ様です」 

エデルリッゾ「結局、何が原因でレムリナ姫様は部屋に閉じこもっていたのですか?」 

スレイン「レムリナ姫の頭があるものに似ているせいで笑ってしまい、それで怒らせてしまって…」 

エデルリッゾ「確かにあの人の頭はあれに似ていますね」 

スレイン「エデルリッゾさんも気づいていましたか。やっぱりニンニクに似ていますよね!」 

エデルリッゾ「え?ニンニクに似ていると思ってたのですか?」 

スレイン「え?」 

エデルリッゾ「私はてっきり殿方の玉袋に似ていると…」 

スレイン「え」 

終わり 

短いけどこれで終了です。 
最後まで読んでくれてありがとうございました。 
SS書いててあらためて、ザーツバルム伯爵はもう少し生きてて欲しかったなと思った。


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